「薬、薬、今の世の中、なんでもかんでも薬で簡単解決バンザイ」の副作用
科学とテクノロジーの発達によって、
あたかも人の体も能力も命もいかようにも操作・コントロールが可能になったかのような幻想が
世の中に広がっているということ、
その一方で、新薬の開発研究や最先端医療の研究の情報が
まだまだ臨床応用どころか緒に就いたばかりという段階から先走り敵に華々しく流されて、
人々の夢や期待をおあり、そうした幻想を意図的にふりまいて、
そこに新たなマーケットを創出しては、それらのマーケットが次々に消費されていく……。
そういう国際的な経済の仕組みが出来上がってしまっているのではないか、
各国の政治や経済で起こっていると見えるあれこれは、
実はそうしたグローバルな経済の「大きな絵」の中の中に位置づけて捉えなおさなければ、
その本質は分からないのではないか、といったようなことなどを、
去年の拙著『死の自己決定権のゆくえ』で
「コントロール幻想」という言葉をキーワードに書いてみた、というものです。
あたかも人の体も能力も命もいかようにも操作・コントロールが可能になったかのような幻想が
世の中に広がっているということ、
その一方で、新薬の開発研究や最先端医療の研究の情報が
まだまだ臨床応用どころか緒に就いたばかりという段階から先走り敵に華々しく流されて、
人々の夢や期待をおあり、そうした幻想を意図的にふりまいて、
そこに新たなマーケットを創出しては、それらのマーケットが次々に消費されていく……。
そういう国際的な経済の仕組みが出来上がってしまっているのではないか、
各国の政治や経済で起こっていると見えるあれこれは、
実はそうしたグローバルな経済の「大きな絵」の中の中に位置づけて捉えなおさなければ、
その本質は分からないのではないか、といったようなことなどを、
去年の拙著『死の自己決定権のゆくえ』で
「コントロール幻想」という言葉をキーワードに書いてみた、というものです。
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なんで、そんなことになっているのか?
飲む薬を減らすメリットは?
飲む薬を減らすメリットは?
The pharmaceutical industry has undergone a vast expansion in the 20th and 21st centuries. This article explores the central role now played by pills in clinical practice, but also in the public imagination. First, this article analyzes four properties that, together, account for many of the promises and perils associated with pills: They are ingestible, potent, reproducible, and miniaturized. This allows them to serve as ideal consumer items for widespread distribution and sale and also as model technological “devices” capable of downloading into the body healing chemicals. As such, they seem to promise a disburdening solution to many of life's ills. In our cultural fantasy, often shared by physician and patient alike, pills can be used not only to treat and prevent disease but also raise energy, lose weight, lessen pain, lift mood, cope with stress, and enhance sexual and athletic performance. This article also explores many adverse effects not only of pills themselves but of this exaggerated cultural fantasy of the pill. It tends to distract us from other, more holistic understandings of the locus of disease and healing. It even fosters misunderstandings of the ways in which pills themselves work, which is to assist bodily processes, and the mind's “meaning response.” The intent here is not to demonize all pills―many have great therapeutic potential―but to learn how to better choose and use them wisely. We propose that this process be assisted through recontextualizing the pill as a multidimensional gift. Taken in such a way, with appropriate gratitude and discernment, we may ingest fewer pills, but with greater efficacy.
20世紀以降の製薬業界の急成長につれて、
世の中、なんでもかんでも錠剤(ピル)を飲んで問題解決という文化が蔓延している。
そこでは、
消化吸収できる、効果がある、再生可能、小さく作れる、という4つの特性が
ピルを広く売れる理想的な消費財とし、同時に、
テクノロジーの恩恵の象徴的な「装置」にもしている。
しかし、ピルそれ自体に副作用があることのほかにも、
「誇張されたピル幻想文化(exaggerated cultural fantasy of the pill)」の副作用もあり、
ピル幻想によって、我々は
病気や症状のありかについて、もっと全体としてホリスティックに理解することから
目をそらされてしまっている。
本来、薬は
身体のプロセスや心と頭の「意味づけるという反応」を手助けするものなのに、
そうした薬効のメカニズムが忘れられ、別もののように思い込まれてしまう。
治療効果のある薬も多く、それを決して軽んじるわけではないが、
もっと賢く薬を選択し、少ない薬でより効果的な薬の飲み方ができるよう
ピルの周辺の文脈を捉えなおすことを試みる。
20世紀以降の製薬業界の急成長につれて、
世の中、なんでもかんでも錠剤(ピル)を飲んで問題解決という文化が蔓延している。
そこでは、
消化吸収できる、効果がある、再生可能、小さく作れる、という4つの特性が
ピルを広く売れる理想的な消費財とし、同時に、
テクノロジーの恩恵の象徴的な「装置」にもしている。
しかし、ピルそれ自体に副作用があることのほかにも、
「誇張されたピル幻想文化(exaggerated cultural fantasy of the pill)」の副作用もあり、
ピル幻想によって、我々は
病気や症状のありかについて、もっと全体としてホリスティックに理解することから
目をそらされてしまっている。
本来、薬は
身体のプロセスや心と頭の「意味づけるという反応」を手助けするものなのに、
そうした薬効のメカニズムが忘れられ、別もののように思い込まれてしまう。
治療効果のある薬も多く、それを決して軽んじるわけではないが、
もっと賢く薬を選択し、少ない薬でより効果的な薬の飲み方ができるよう
ピルの周辺の文脈を捉えなおすことを試みる。
著者の一人、デューク大のMitchell Krucoff医師は、
……like most powerful things, their place in modern culture can be unbalanced when the healing context is subverted by priorities like financial gain.
大きな力を持つものの大半にそういうところがありますが、
薬で病気を治すという文脈よりも金銭的な利益のようなことに優先順位がシフトすると、
薬が現代文化の中に占める位置が本来のバランスを失ってしまいかねないのです。
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乳がん”予防薬”を50万人の女性に5年間飲ませよう、と英NICE(2013/6/26)
双極性障害で抗精神病薬を処方される2―5歳児が倍増(2010/1/16)
2歳で双極性障害診断され3種類もの薬を処方されたRebeccaちゃん死亡事件・続報(2010/2/22)
2歳児に向精神薬を3種類も処方したレベッカ事件の医師は、日本に帰って診療(2013/6/6)
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「現代医学は健康な高齢者を患者にしている」(2009/3/8)
「老い」は自己責任で予防すべき「病気」であり「異常」であるらしい(2009/9/21)
「認知症高齢者への抗精神病薬をめぐる動き」を書きました(2012/11/7)
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ProPublicaが暴く「ビッグ・ファーマのプロモ医師軍団の実態」(2010/11/2)
「製薬会社に踊らされて子どもの問題行動に薬飲ませ過ぎ」と英国の教育心理学者(2011/1/18)
“オピオイド鎮痛剤問題”の裏側(米)(2012/10/20)
ファーマゲドン: オピオイド鎮痛剤問題のさらなる裏側(2013/1/4)
製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avandiaスキャンダル(2012/11/30)
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