80%のヤングアダルト・ケアラーが支援を受けていない(英国調査)

英国最大の介護者支援チャリティ、Carers Trustによる
14歳から25歳のヤングアダルト・ケアラーへ、初の大規模調査。

英国のヤングアダルト・ケアラーの総数は375000人。

295人のヤング・ケアラーへの調査から、
地方自治体による正式なケアラー・アセスメントを受けた人は、22%で、
ほぼ5人に1人のみであることが明らかになった。

ケアラー・アセスメントは支援を受けるためには欠かせないステップであり、

この結果から推測されるのは、
20万人以上の若者と家族がサービスも支援も受けていない実態。

その他、ヤングアダルト・ケアラーは

・介護役割のために年間平均48日、学校を休んだり遅刻・早退している。
・大学を中退する確率は4倍。
・就学、就労、職業訓練のいずれも行っていないニートになる確率は一般の2.5倍。
・平均して年間17日仕事を休み、加えて介護責任の影響を受ける日が79日ある。
・心身の健康に問題がある確率が高い。
・高率でイジメを経験している。4分の1が、ケアラーであることを理由に学校で苛められたり虐待された経験があると答えた。


Carers Trustでは
新たに Time to be Heardと題したキャンペーンを開始し、

政府やその他公共機関に対して、
介護負担によって教育や就業などで将来的な不利を蒙らないよう、
ヤングアダルト・ケアラーへの支援の必要を訴えている。

訴えられているのは、例えば、

・政府は2014年介護法と2014年児童家庭法の実施に十分な予算措置とモニタリングを提供するべきである。ヤングアダルト・ケアラーとその家族には適切なアセスメントが行われて、家族全体の介護ニーズが満たされなければならない。ヤングアダルト・ケアラーに介護を提供するための負担が過度に負わされてはならない。

・政府はPupil Premiumや the 6-19 Bursary Fundや大学アクセス合意基準などの追加的な資金支援プログラムの対象者にヤングアダルト・ケアラーを加えるべきである。それによってヤングアダルト・ケアラーを特定し、教育において成果を出せるよう支援することができる。

ヤングアダルト・ケアラーのウェルビーイングを改善し、アセスメントと支援を受ける権利が尊重され、彼らの視点がその地域の意思決定に反映されるよう保障するべく、NHSと地方自治体はヤングアダルト・ケアラーのためのサービスの全国ネットワークを支援すべきである。

・職業ガイダンス、就労に向けた研修プログラムは、ヤングアダルト・ケアラーが不利な立場にあることを認識し、職業訓練および/あるいは就労について彼らが計画を立てることができるよう、十分な情報提供を行わなければならない。





ちなみに、以下のエントリーで拾った情報によると、
英国の18歳以下のヤングケアラーは16万6000人。