2015年6月26日のメモ

英。小学校にヤングケアラー支援プログラム。:それほど多い、それほど事態が深刻ということ。
http://www.coventrytelegraph.net/news/coventry-news/parkgate-primary-school-honoured-helping-9467004


終末期にどのようなケアを受けられるかは、どのような考え方の医師と出会えるかにかかっている、という調査結果。:これ、終末期医療に限らず、当たっていると思う。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/295071.php

医師には終末期医療の選択肢について家族にきちんと提示する責任がある。:この記事を上の記事とあわせて読むと興味深い。と思いながら、私はどちらもほとんど読めていませんが。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/295454.php

高齢者虐待は世界中で起こっている。:これも上記2つの記事とあわせ読むと興味深いというか、たぶん考え込んでしまうんだけれど。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/295442.php

日本。厚労相 保健医療2035提言書の公表について :この中の「死の質」のくだりが、譬えようもなく恐ろしい。「死」の在り方(quality of death)について、一人ひとりが考え、選択することも必要となる。特に終末期(人生の最終段階)について、意思能力のあるうちに事前指示(advance directive)として、自らの希望する医療やケア、療養場所に関して選択や意思表示をできるようにするといった、quality of deathの向上のための取組(望まない医療を受けないことや在宅療養の選択等)を進める。また、そのための啓発・教育活動を保険者や自治体、かかりつけ医が行う体制を確立する。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088375.html

6月23日のエントリー「ベルギーの安楽死・最前線」で取り上げたNew Yorkerの記事 the Death Treatmentなど、精神障害者への安楽死に関する記事が相次いでいることについて、かつて鬱病が悪化して死を考えたことがあるが、その時に安楽死やPASを引き受けてくれる医師がいなかったことに感謝している女性の考察。最後の引用がいい。Each day we live, and make it through, is a success. It may not be pretty. But it’s still life. Most of the “outside” world will never know. But it doesn’t matter. We know. So my friends, I’m saying this not to you, but to myself: Instead of wishing for death with dignity, how about realizing we live each day with bravery? And each day we successfully do, is a gift.
http://www.everydayhealth.com/columns/therese-borchard-sanity-break/is-physician-assisted-suicide-right-severe-psychiatric-disorders/

その文体マニュアルがメディア全般から手本と見なされているAP通信が、自殺を報道する際にcommit suicide という表記を避けて他の表現に置き換えるよう呼びかけ。自殺は違法ではないにも拘らず、commitという文言があたかも違法行為であるかのように思わせるから。
http://www.evolutionnews.org/2015/06/ap_orders_media097111.html

Falconer上院議員の法案は選挙のため時間切れとなったけど、今回はRob Marris議員からPAS合法化法案。
http://www.theguardian.com/society/2015/jun/23/assisted-dying-bill-will-fuel-a-rise-in-suicides


英国最高裁のトップ Neuberger卿が、政治家がPAS合法化できないなら、自分達がEUの法律を盾に合法化する、と発言。:どこの国でも、物事の筋道というものの理解が足りないのか、人間のとしての節操というものが足りないのか、なにしろ程度の低い人たちによって、三権分立が侵されつつある。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3136849/Why-meddling-judges-never-powerful.html

一貫してPAS合法化反対の立場の緩和ケア医であるIlora Finlay上院議員の「Assisted Dying 法案は安楽ではなく危険をもたらす」とのHuff Post への寄稿。
http://www.huffingtonpost.co.uk/baroness-ilora-finlay/assisted-dying-bill_b_7643276.html



英国。何かとスキャンダルが多く物議をかもした元教育長(?)で、2000年にALSを診断されてPAS合法化に向けて運動していたWoodhead氏、死去。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3135831/Former-chief-inspector-schools-Sir-Chris-Woodhead-dies-long-battle-motor-neurone-disease.html

CA州。性転換した男性Michael Saumさん(35)は脳腫瘍の末期。PASを希望。“I don’t want to die. I love life despite the pain, but the thing is I don’t have a choice in the matter,” Saum said. “I’m going to die soon, so if I’m going to have to decide whether I will die a very painful, miserable death or a very peaceful death, I’m going to choose the peaceful death. I think most people would.” :まるきりBritanny Maynardさんの発言をそのままコピーでもしたかのよう。
http://www.pasadenastarnews.com/social-affairs/20150624/terminally-ill-transgender-el-monte-man-wishes-he-could-legally-end-his-own-life

CA州の心理学者 Mark Hoffman氏が、ブリタニー・メイナードさんは一旦は思いとどまっていたことからすると、本当に家族からの影響なしに自分の意思で自殺したかどうか疑わしいが、現行法ではそういう場合にも警察が捜査しない仕組みになっている、と。:この人、一つ事実関係を誤認している。ブリタニーさんの死の前日に公開された「今はまだその時ではないかも」という発言を含む2本目のビデオは、実はその2週間前に録画されたものだとC&Cは言っていた。ただ、あれだけC&Cに取り込まれて、いわば世界中に自殺を予告してしまったブリタニーさんが、様々な心理的葛藤があったとしても後に引くことはできなくなってしまった可能性はあると私も思う。というか、自殺って極めてプライベートな問題なのだけれど、それをああいう形でパブリックなものにしてしまうことそのものが、おかしいと、まずみんな気づかないといけないと思う。
http://www.lifenews.com/2015/06/18/psychologist-wonders-if-brittany-maynards-family-pressured-her-to-commit-suicide/

カナダ癌協会から10月の連邦選挙後に成立する政府は、在宅の終末期医療を充実させるべく方針を打ち出せ、と声明。
http://news.nationalpost.com/news/canada/next-government-must-address-controversial-issue-of-end-of-life-care-canadian-cancer-society

日本。今井雅之さんの訃報報道に、医師が抱いた違和感とは 今回の報道では、癌終末期は強い苦痛に耐えるのが当たり前で、まるで苦しみに耐え抜いたことを称えるような論調のものが多く見受けられました。そして、適切な緩和ケアが受けられなかったのではないか、という報道はまるで皆無でした。 癌の痛みに耐え抜いたことを称える論調はおかしい
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150616-00208162-woman-life

日本。93歳「今も妻を愛している」 嘱託殺人罪に問われ公判中:「妻は介護サービスなどを受けるのを嫌がっていたという」の箇所をみんなでスルーしながら、首を絞める前に添い寝したとか「殺すほど深かった夫の愛」にウルウルしている。佐藤傑裁判官から「どうすれば良かったですか」と問われ、夫は「冷静になるべきだった」と述べたというのだけど、そこまで行くまでに「介護サービスを使うべきだった」のでは?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000012-asahi-soci

日本。病床数を最大20万削減 25年政府目標、30万人を自宅へ:介護職不足で施設が開設できないとか、在宅支援の事業所が利用者を断らざるを得ない事態が一方にあるのに、そちらへの対応はなしにこういうことをすれば、それは「家で家族の自己責任で見殺しにして」というに等しい。そのために病院では医師の免責、家では家族の免責が必要だから、例のあのハナシ……なわけですよね。別に法制化できなくたって、暗黙の空気感はすでに醸成されている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H75_V10C15A6EE8000/


ヴァージニア州で、男性患者が脱いだパンツに入っていたスマホが録音してしまった手術中の麻酔科医(48)らの、とんでもない会話。採血の時に気を失ったことがあると男性が打ち明けていたことについて「じゃあ、なんで見てんのよ。馬鹿じゃない」「あんたと5分もしゃべったら、横っ面張って男だろうがって言ってやりたい気分だったわよ」「ったく、うっとうしい患者ばっかり次々と」アシスタントが男性の性器のブツブツを話題にすると「触らないのよ。腕とかに淋病が移ったりするから」「ペニスの結核だと思うし、まぁエボラじゃない限り大丈夫だけど」などなど。またありもしない痔があるとカルテに虚偽の記載も。男性には淋病も結核もなく、麻酔科医に名誉毀損で10万ドル、医療過誤で20万ドル、損害賠償で20万ドルの支払いが命じられた。
http://www.washingtonpost.com/local/anesthesiologist-trashes-sedated-patient-jury-orders-her-to-pay-500000/2015/06/23/cae05c00-18f3-11e5-ab92-c75ae6ab94b5_story.html



救急隊から患者情報が病院医師に直接送られるシステムの導入などにより、米国の心臓病による死者数が激減している。
http://www.nytimes.com/2015/06/21/health/saving-heart-attack-victims-stat.html?_r=0

日本。iPS移植2例目見送り 理研など、複数の遺伝子変異
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HBT_W5A610C1CR8000/

余剰凍結胚の扱いをめぐる倫理問題
http://www.bioedge.org/bioethics/what-should-we-do-with-frozen-embryos/11494

上の問題を詳細に追いかけたNYTの記事。生殖補助技術の普及で、余剰冷凍胚が多数発生することに。
http://www.nytimes.com/2015/06/18/us/embryos-egg-donors-difficult-issues.html?emc=edit_th_20150618&nl=todaysheadlines&nlid=50068194&_r=0

日本。「2年」から「1年」へ……不妊症の定義はなぜ変わる? :病気でもないものを「治療」の必要な病気にし、期間を区切り狭めることによって「異常」とラベリングする対象を拡大する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150616-00000004-wordleaf-sctch


ソニーが去年リストラ策の一環としてロボット犬アイボの部品製造を停止したことから、米国でアイボを家族同様にかわいがってきた人たちから嘆きの声。
http://www.nytimes.com/2015/06/18/technology/robotica-sony-aibo-robotic-dog-mortality.html?emc=edit_th_20150618&nl=todaysheadlines&nlid=50068194

ドイツの哲学フェスタがP・Singerへの招待を取り消し。もともとは動物の権利擁護で講演のための招待だったが、スイスの新聞のインタビューでシンガーが新生児殺しと安楽死に対するラディカルなスタンスを表明したため。:このインタビューで個人的にとても興味深いと思ったのは、How about yourself: are you useful enough? という問いに対して、Considering the influence I've had, my choice of profession is justified. I have motivated people to think about reducing animal suffering and helping people who live in extreme poverty… と答えているところ。
http://www.bioedge.org/bioethics/peter-singer-disinvited-from-german-philosophy-festival/11491

Singerの一番弟子、Julian SavulescuがNICUでの医療を資源分配に基づく配分制に、と講演。こうして「無益な治療」論は、固有の患者への固有の治療の有益性を巡る議論から、功利主義の資源の「平等な分配」という概念による「QOLの低い生は生きるに値しない、治療に値しない」という「患者の無益論」へと化けていく。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2015/06/savulescu-on-rationing-in-nicu.html

日本語。子宮頸がんワクチン 推進するWHOの影にゲイツ財団と製薬企業 :これ、2008年くらいから前のブログでずっと指摘し続けてきたこと。
http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=421


インドのカルカッタマザー・テレサが創設した女性のための救援施設で、懲罰としての電気ショックを含め、精神障害のある女性たちに非人道的な扱いが日常化している、とボランティアへの詳細なインタビュー。
https://missionariesofcharity.wordpress.com/2011/02/01/electroshock-used-as-punishment-in-one-of-mother-teresas-facilities-in-india/


日本。「生活が・・・」泣き崩れる傍聴者 派遣法改正案 衆院通過へ:このニュース、お昼のワイドショーが法案の中身には全く触れずに、安保法案とつなげて「民主党はもう単に反対するための反対の政党になってしまっていますからね」などとコメントしていたけど、通過した途端に、問題点を解説し始める。いったいどこまで事実上の報道規制が浸透しているんだか。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015061902000244.html

日本。ALS支援「アイスバケツチャレンジ」の寄付金はどうなったの?(1)治療薬や福祉機器の研究開発補助(1件300万円×年間3件、3年間継続)(2)患者のQOL向上へ介護者の育成など(1件30万円×年間5件、5年間継続)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150621-00000003-wordleaf-soci&p=1

日本。呼吸器外さず痰自動吸引 九州保健福祉大など開発
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyazaki/news/20150618-OYTNT50125.html


日本。起業促進へ大学改革、新興企業と連携…改訂原案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150620-00050196-yom-pol

日本。比海軍と海自の共同訓練始まる= 中国にらみ協力強化―南シナ海
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150622-00000099-jij-asia

日本。安全保障関連法案に反対する学者の会
http://anti-security-related-bill.jp/

日本。神戸児童連続殺傷:遺族の抗議文全文
http://mainichi.jp/select/news/20150614k0000m040046000c.html