【拡散希望】ドキュメンタリー映画「風は生きよという」 (風とは人工呼吸器の音のことです)

イントロダクション

呼吸器から吹く風に乗り、つながりあう人と人との物語。

もしもあなたが、病気や障害のために身体を動かせなくなったとしたら、
どんな人生を想像しますか?

映画が映し出したのは、ふつうの街でふつうの生活を送る人びと。

特別なことといえば、呼吸するための道具・人工呼吸器を使用していることくらい。

人工呼吸器。ひと昔前、それは巨大な鉄の箱で出来ていた。

こんなものに頼るならいっそ死んだ方がまし― そう思われるには、十分すぎる見た目だった。

いま、呼吸器はお弁当箱に様変わり。

散歩も旅行も買い物も、ひとり暮らしさえも可能にしてくれた。

呼吸器からは、休みなく空気が流れてくる。「シュー、シュー」と、まるで風のように。

淡々とその生活を映し出し、歩んできた人生を見つめた時、浮かんできたのは日常の尊さ。

たくさんの支援が必要だからこそ、多くの人に出会え、
自由に動くことができないからこそ、生きてあることに感動する。

じんわりとこころを揺する、人と人とが織りなす物語。

もしもあなたに、思うように身体を動かせない、そんな日が来た時は思い出してほしいのです。
映画の中を駆け抜けていた、風の音を。

その風に包まれた人と人とが、支えあいながら生きていたことを。

2015年/日本/81分/ドキュメンタリー


公式サイトはこちら ⇒ http://kazewaikiyotoiu.jp/



出演している人工呼吸器利用者の方々は、
海老原宏美さん、金子ゆかりさん、新居優太郎さん、小田政利さん、渡部哲也さん。


実は、この映画のことは、去年の製作段階から知っていました。

編集途上で、完成間近なヴァージョンを見せてもらい、
みんな、なんて普通なんだろう、その普通だということが、なんて素敵なんだろう、と感じました。

一人ひとりが生きているという、それだけのことが当たり前に描かれ、
そのまままっすぐに伝わってきて、そのまま「いいなぁ」と感じられることに
すっきりと混じりけなく、感動しました。

そして、映画はさらに、そこから膨大な時間とエネルギーと情熱をかけて
さらに丁寧で深いものへと大きな変貌を遂げて完成されました。

一人でも多くの人に見てもらいたい映画だと思って、
公開になったら、すぐにこのブログで紹介するつもりでいました。

それなのに、こんなに遅くなってしまって、
監督の宍戸大裕さん始め、関係者の皆さん、めっちゃ、ごめんなさい。

ただただ自分がほんのちょろっと出ていて
それが無性にこっ恥ずかしいというだけで
自意識過剰気味に、ついつい逃げ隠れしておりました。

この映画の中にもチラッと出てくるのですが、
2012年の5月に、衆議院議員会館で開かれた
尊厳死」法制化を考える院内集会 ~海外の動向から日本の法制化議論を見る~ で
私は海外の安楽死や医師幇助自殺をめぐる状況をお話させていただきました。

その時に会場でJILの関係者の方から紹介されたのが、この映画の監督、宍戸大裕さん。

どこか禅寺のお坊さんを思わせる、
ストイックな清潔さのある方でした。

宍戸さんは、その2ヵ月後の7月、はるばると我が家にやってきて、
2日に渡って、ガッチガッチに緊張したままの私を撮影されました。

ウチの近所の公園で撮影を終えた後、
「ぼく、小さな虫を撮るのが好きなんです」と言われ、
植え込みの傍の地面に小さな小さな虫を見つけては、
長いことカメラを抱えたまましゃがみこんで、追いかけておられて、

あぁ、この人は、弱く小さないのちの姿を撮るのがが好きなんだなぁ、と
私は、夢中になっておられる、その後姿を見て、思いました。

そういう人が心を込めて作ろうとしているこの映画は
とても良い作品になるのだろうなぁ、と確信もしました。

そして、できあがったのは、本当にすがすがしい作品です。

コメントが川口有美子さん、渡部一史さん、立命館大学立岩真也先生その他、
いろいろと寄せられています。 ⇒ http://kazewaikiyotoiu.jp/comment

どうぞ、一人でも多くの方に見ていただけますように。

上映会情報はこちらに ⇒ http://kazewaikiyotoiu.jp/screening