2014年12月19日のメモ

WI大病院が障害者の肺炎治療を差し控え、一人が死亡(2009/5/20)で取り上げた訴訟の、上訴裁判決が出たので、判決文をざっと読んでみたんだけど、法解釈の議論がよく分からない。DRWの戦略ミスということなのか。訴訟の意図とはまったく別のところで、意思決定能力を持たない、植物状態ではない患者からの治療の差し控えまたは中止をめぐって、「患者にはデュー・プロセスの憲法上の権利がある」という提訴の基盤となる前提そのものが、「もともと患者のデュー・プロセスの権利とは州の介入権に対しての権利擁護なので、これらのケースで単に医師らが州の職員であるというだけでは当てはまらない」と否定された、という話なんじゃないかと。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2014/12/drw-v-university-of-wisconsin.html



Randall R. Bainchi訴訟。22歳のBainchiさんは米海軍の兵士としてアフガニスタンイラクへ派遣されてPTSDになったが、精神科の不適切な治療で薬物依存となり、2012年にヘロインのオーバードースから「脳死」と診断された。母親は臓器ほしさに医師らが意図的に救命しなかった、同意もなく脳死テストを行った、そのテストも不適切なものだった、と提訴。:今の世界の病巣がずらりという事件?
http://medicalfutility.blogspot.jp/2014/12/chicago-brain-death-case-now-federal.html

意思決定能力なるものをもっと正しく判定するためのアセスメント方法の開発が研究されている。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286049.php





Tony Nicklinson未亡人が、「死ぬ権利」を訴えて欧州人権裁判所に提訴へ。
http://www.bbc.com/news/uk-england-wiltshire-30504540

スコットランドの66歳のパーキンソン病の患者さん、Gordon Rossさんの自殺幇助を求めた訴訟の審理開始へ。
http://www.heraldscotland.com/news/health/crown-tries-to-delay-landmark-right-to-die-hearing.114863229

カナダの世論調査で約80%が自殺幇助合法化を支持。コワいと思うのは、認知症の人とか、生きている意味がないとか家族の負担になりたくないという理由からの自殺幇助にまで賛成だと答えている人たちが一定の割合でいること。
http://news.nationalpost.com/2014/12/16/third-of-canadians-are-assisted-suicide-enthusiasts-who-support-it-in-cases-that-dont-involve-pain-or-imminent-death-poll/


英国の合法化議論で、Finlay議員(緩和ケアの専門医)が「末期の患者さんは、思いに耳を傾けてもらって、自分が望む治療を受けられれば、死にたいという望みはなくなる」
http://www.walesonline.co.uk/news/news-opinion/the-wish-die-vanishes-terminally-ill-8282047



一方、米国の医師への意識調査で54%が自殺幇助合法化を支持。2010年の46%からアップで、この記事は調査が行われたのがメイナードさんのビデオが公開されて彼女の死までの間に行われたとしている。(医師もメディアの情緒的な報道に影響されている、ということ?) Caplanがコメントで合法化に反対しているのは宗教関係と障害者たちだと限定しているのが、気にかかる。
http://www.nbcnews.com/health/health-news/most-u-s-doctors-now-support-aid-dying-survey-n269691

米国のICUでの「引き伸ばしているのは生なのか死なのか」というジレンマ。「死ぬ権利」議論、本当はここのところの丁寧な議論に引き戻すべきものなのでは、といつも思うのだけれど。
http://www.washingtonpost.com/news/storyline/wp/2014/12/12/warehouses-for-the-dying-are-we-prolonging-life-or-prolonging-death/

米国のメディケア患者には、やたらと規制薬物が処方されている、という問題。:こういう医療側のモラルハザードという側面も、上の問題には実はあるんじゃないか、とも思っている。
http://www.propublica.org/article/as-controlled-substance-use-rises-in-medicare-top-prescribers-face-scrutiny?utm_name=

認知症だと診断された後にも人は生きていくのよ」という英国の当事者 Joan Bakewellのインタビュー。
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/dec/16/dementia-diagnosis-ageing-society-joan-bakewel-prunella-scales?CMP=EMCNEWEML6619I2

JDF10周年 海外の当事者リーダーも登壇 「13の障害関係全国団体でJDFを2004年に設立した背景には、まさに権利条約の推進があった。」
http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/6828

おかあさん、ぼくが生まれてごめんなさい:障害児者に直接関わる人の中にも、感動しておられる方々があるようなのだけれど、私にはこれどうしてもどこか不快なものが感じられてごめんなさい。
http://buzz-media.net/moving/2738/

日本。酒田市長辞職勧告案、検討求める 市議会第3回派、他会派は同意せず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141217-00000412-yamagata-l06

11歳から介護を担っていたという英国のヤングケアラーほかへ、クリスマスの季節に激励イベント
http://www.reveal.co.uk/real-life-stories/news/a616160/reveals-christmas-stars-three-inspiring-women-share-their-stories.html

働きながら高齢者介護を担っている女性への長期的な影響。調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286805.php

私たちから見れば介護者支援の最先端と見える英国で、「スウェーデン並みに」と訴える声。問題は、連立政権になってからの社会保障費削減なんだろうけど。
http://www.theguardian.com/society/2014/dec/09/providing-support-carers-sweden-benefits-employers

小保方氏、STAP再現できず・・・「存在せず」濃厚 理研、週内にも発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141218-00000082-san-soci


家庭用DNAスクリーニング・キット“23andMe”、英国で販売へ。米国はFDAの規制で差し止められたまま。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/286815.php?tw

新たに子供を生む親のほとんどが我が子のゲノム・シーケンシングに興味津々、という調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286543.php

100万人飢餓の恐れ=エボラ熱で西アフリカー国連
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141218-00000020-jij-m_est

エボラ・ワクチンの治験、関節痛の副作用で中断。
http://www.theguardian.com/world/2014/dec/11/ebola-vaccine-trial-suspended-joint-pains

NY州の元幹部職員が、チャーター・スクールへの教育改革の金銭的な背景に十分な監視監督が行われていない、と。:この問題は、実際には科学とテクノのグローバルな利権構造と結びついていると私は見ている。
http://www.propublica.org/article/ny-state-official-raises-alarm-on-charter-schools-and-gets-ignored?utm_name=

「眼によいサプリ」はエビデンス乏しい、との調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286792.php

低体重で生まれたけどその後の成長著しい人には、エンザイムのサプリを飲んでもらったら心臓病を予防できる。:そりゃ、一生ずっと飲み続けるに等しいから、ファーマにとっては美味しい話。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/286993.php

出生時の体重が重い子供のほうが学校の成績がいいんだって。:だからどうだっていうんだろう? というか、こういう調査って何の意味があるんだろう?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286567.php

貧困状態の子どもには認知トレーニングで脳のパフォーマンスを向上可能:……って、貧困状態から抜け出せるよう支援という方向には、発想者の脳のパフォーマンスがないのね。そこのところがすごく「科学とテクノ」らしい。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/286766.php

トランスヒューマニストのZoltan Istvanが2016年の大統領選に出馬。全ての国民がより長生きをして、より健康になる枠組みを作るんだそうな。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/11260

近藤誠医師の“がん放置”理論は現代医学への警鐘か、危険な宗教か :近藤氏の初期の著作は読んで共感していたので、バッシングには、HPVワクチンへの批判に対するバッシングと同種のヒステリックなものを感じて「そこまで全否定するのもおかしいのでは」と考えつつ、最近の近藤氏の発言を詳しく知らないので判断を保留にしてきたんだけど、この見方に大いに納得。近藤氏が医師中心のがん治療から患者のQOLインフォームドコンセントの充実が必要と医療の転換を呼びかけたことの功績は大なのだが、自らの理論をいつしか無謬なものと勘違いしてしまったようだ。  しかし、一方の医療界が"がん診療ワールド"にしがみつき、利権構造を守ることに終始していたのもまた事実だ。 一連の近藤批判の中には、明らかに不要な検査や抗がん剤の利権を守るために大学病院を頂点にした医局と製薬業界が組織的に近藤バッシングを仕掛けている気配もある。  利権にまみれた"がん診療ワールド"の垂れ流しでもなく、近藤理論の丸乗りでもない、科学的で客観的ながん治療への批判が登場することを願ってやまない。
http://news.livedoor.com/article/detail/9554275/

医療職と患者サイドが意思決定を「共有」するためのSHARE Approach Workshop。これ、ちょっと注目。こういうのが「手続き論」とか「マニュアル」に堕してしまいがち、というのも気にはなるんだけど。
http://www.ahrq.gov/professionals/education/curriculum-tools/shareddecisionmaking/workshop/index.html

ガイドラインなどの硬直的な適用で医療を過剰に「標準化」「画一化」するな、という現場医師の警告。:すごく賛同できる(標準化、画一化は結局は医療サイドの決定権モデルの強化だし)ので、エントリーにしたくて、赤だらけのプリントアウトがずっと机の上にあるんだけど。
http://www.nytimes.com/2014/12/11/opinion/dont-homogenize-health-care.html

米CIAがテロリストに行っていた虐待に関する詳細な報告書。医師や心理学者らの協力が明らかに。特に問題となっているのは、ハンガーストライキをする囚人に対する、エンシュアの強制腸注という医療技術の虐待への応用。医療技術である限り「本人の利益のためだった」という口実が可能になるというやりきれなさ。
http://www.washingtonpost.com/blogs/fact-checker/wp/2014/12/16/cheneys-claim-that-the-u-s-did-not-prosecute-japanese-soldiers-for-waterboarding/
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/11264
http://www.washingtonpost.com/opinions/the-cia-torturers-should-be-prosecuted/2014/12/12/f034acae-8159-11e4-9f38-95a187e4c1f7_story.html
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/cia-report-describes-medical-personnels-intimate-role-in-harsh-interrogations/2014/12/13/4cc9dfc8-8229-11e4-81fd-8c4814dfa9d7_story.html

米国の、メンタルヘルスに問題を抱える青少年の入所治療施設で、つばを吐いたり暴言などの些細な問題行動で警察が呼ばれ、逮捕させる、というケースが増えている
http://www.chicagotribune.com/news/watchdog/rtc/ct-youth-treatment-arrests-met-20141209-story.html#page=1




相次いでいる警察による黒人男性射殺事件に、米国下院の職員らが議会建物の外階段に集合して片手を挙げて、静かな抗議。
http://www.washingtonpost.com/politics/federal_government/house-staffers-gather-in-solidarity-with-protests-against-police-shootings/2014/12/11/d783559e-8180-11e4-81fd-8c4814dfa9d7_story.html

1944年に白人少女2人を惨殺したとして、わずか2時間の証人も呼ばれることのない裁判で死刑になった黒人少年、George Stinneyに、70年後に冤罪として無実が確定。
http://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2014/12/18/the-rush-job-conviction-of-14-year-old-george-stinney-exonerated-70-years-after-execution/

米国のウォールマート、サブウェイなどの巨大企業がメキシコの提携農家に対して行っている手ひどい搾取。
http://graphics.latimes.com/product-of-mexico-camps/

米国で結婚後にも働く女性が減っている。その背景にあるもの。:この記事のグラフでは日本では逆に急増しているんだけれど、これは非正規やゼロ時間労働も含めて「雇用」としているんだろうなぁ、と。
http://www.nytimes.com/2014/12/14/upshot/us-employment-women-not-working.html?_r=0&abt=0002&abg=1

日本。【総選挙2014】もう投票しなくていい 森達也さん。臨界は超えた。もう制御はできない。 この国のメディアは今、その機能を放棄しかけている。ほぼ現政権の広報機関だ。
http://www.politas.jp/articles/307

【動画つき】ヒョウ柄とアメちゃんを愛する“大阪のおばちゃん”がもし日本国憲法を訳したら?
http://hon.bunshun.jp/articles/-/2994

自民党からまた衝撃回答「性的少数者について人権問題として取り組まなくてよい」
http://blogs.yahoo.co.jp/deep8822/65093516.html


山谷えり子氏と在特会幹部が写った写真への首相見解
http://yukan-news.ameba.jp/20141123-69/


「図書館」目的の旅はいかが? 国内のお洒落すぎる「図書館」7選
http://find-travel.jp/article/5215

NORADの「サンタ追跡」:10年位前かなぁ、英語の授業でインターネットを使っていた時に学生さんから教えてもらって、ちょっとコーフンしたけど、2年くらいで忘れてそれきりになっていた。
http://www.noradsanta.org