薬価吊り上げスキャンダルのValeant社、CA州のPAS合法化を前にセコバルビタールの価格を倍に

昨年秋から折に触れて拾ってきた以下の米国の薬価の吊り上げスキャンダルが
まさか、PASの話題に飛び火するとは。




かつて米国ではPASにはペントバルビタールが使われていたが、
死刑に使用されることを理由にヨーロッパの製薬会社が米国に輸出しなくなったために
品薄となり、その後セコバルビタールが使われてきた。


もとは1934年にイーライ・リリー社が睡眠薬として開発したもの。
2009年には致死量の100錠が200ドルもしなかったが、
過去6年間で100錠1500ドルに値上がり。

そこで昨年、販売権を取得したのがValeant製薬。
ラソン製薬からセコバルビタール、セコナルの販売権を買い、
100錠3000ドルへと値段を吊り上げた。

6月のカリフォルニア州のPAS法の施行と、
カナダの安楽死法整備を目前に、つけこむのか、と、
両国のPAS推進派は激怒しているが、

同社は、
本来は不眠やてんかんの治療薬、手術前の麻酔薬なんだから
PASでの使用はあくまで適用外であり、
適用外のPAS合法化につけ込んだといわれても困る、と反発。

もっとも、米国の保険会社は
医師幇助自殺約の値上がり分は負担するといっているらしい。

Valeant社がマラソン社から販売権を獲得して
値段を吊り上げた薬はその他に、
心臓病治療薬のIsuprel(値段は3倍に)と Nitropress(値段は6倍に)。

同社は、値段の設定については以下のように語っている。

Valeant sets prices for drugs based on a number of factors, including the cost of the development or acquisition of a drug, the availability of substitutes or generics, and the benefits it offers versus alternative treatments that might be more costly.