ジカ熱騒ぎの中、2人の小頭症の娘を持つ母親のブログが人気

妊娠中に感染すると小頭症の子どもが生まれるとしてジカ熱への懸念が広がる中、

小頭症の娘2人を育てている
カンザス州在住の女性Gwen Hartleyさんが語る率直な思いが反響を呼んでいる。

Hartlyeさん一家は、両親に息子1人と娘2人の5人家族。
息子が生まれるまで、Gwenさんは学校の先生だった。

2人目の子どもClaireさんが生まれたとき、
小頭症で1年も生きられないだろうと医師から告げられた。

が、Claireさんはもうすぐ15歳。
思春期とあって、反抗的な態度もとるし、
ふん、と言った目つきにもなる。

同じく小頭症のLolaさんも10歳。
2人とも小人症、脳性まひと、てんかんもある。

下の娘まで妊娠中に小頭症と分かったときには、
いつか2人を埋葬するのかと考えて気持ちが沈んだけれど、
「私はこの子の母親になったんだから、
与えられたギフトをしっかり受け止めないと、と思った」

米国に小頭症の子どもは25000人。
当事者家族以外にはほとんど知られていない病気だったのに、
ジカ熱騒ぎで、感染したブラジル女性の家族に生まれていることから、
いっぺんに注目されることになった。

私の中には、自分が15年間付き合ってきた小頭症を知ってもらえることを
喜んでいる部分もあります。

小頭症の子どもが生まれたブラジルのご家族のことを思うと、
自分が2度も経験したことだけに、悲しい気持ちになる部分もあります。

同時に、私は、こういう子どもの親になることの喜びも知っています。

だからといって、小頭症の子どもがまた生まれることを敢えて願うわけではないけど、
ブラジルでこういう子どもの親になった人たちに、私の気持ちを知ってもらえたら嬉しい。

娘たちが生まれる前なら、そういう体験を敢えて選びはしなかっただろうけれど、
でも、娘が生まれるまでは、こんな喜びだってあることも知りませんでした。


今でも、この子がいつか歩けるものなら、と考えて、
自分が失ったものを追い求めるような気持ちになることはあるけれど、
娘たちが自分なりに世の中を探検し、自分を主張し、
ちょっとしたことに喜びを見出しているのを見ると、
そのすばらしい瞬間が一生分の幸福に思える。

Loraさんが生まれて数年後にGwenさんが始めた
ブログThe Hartley Hooligansの訪問者数が、
ジカ熱報道で急増している。

Gwenさんは自分のブログが
不安を感じている親たちに希望と前向きな明るさをもたらせれば、と願う。

みんなが小頭症を「かわいそうな (terrible)」先天異常と呼びました。
でも私は娘たちの姿を見て、かわいそうな先天異常があるとは感じません。
私は美しい子たちだと思います。

私には小頭症が、恐ろしい、おぞましい先天異常とは思えないし、
それで子どもたちの美しさが変わるとも思えません。

人が娘たちを見て、
「二度とこういうことが起こらないようにしましょう」というのを聞くと、
その言葉には「ちょっと傷ついてしまう」。


もちろん、毎日の生活に悲しいことや苦労がないわけではない。
それでも、自分に与えられた人生を祝福されていると感じている。

小頭症の子どもが生まれた他の家族のことを考えると、

その人たちが私たちと同じ経験をしなければならないことは、私も悲しい。
でも、それが現実なのであれば、私たち親には、
子どもの人生をできるかぎり豊かなものにしてやることができます。

私たち一家はみんなハッピーですよ。
私たちは、この生活が大好きです。




【追記】
ブラジルでは、中絶法の見直しも議論になってきているみたい。
(NYTの記事そのものは読めていません)
http://www.nytimes.com/2016/02/04/world/americas/zika-virus-brazil-abortion-laws.html?emc=edit_th_20160204&nl=todaysheadlines&nlid=50068194&_r=0