2016年6月1日のメモ

昨年2月の最高裁の判決がいったん延期された合法化期限が6日月曜日に迫るカナダ、安楽死合法化法案が下院を通過。186 対 137。上院通過は月曜日に間に合わない、との観測も。
http://abcnews.go.com/International/wireStory/canadas-assisted-suicide-bill-approved-house-commons-39513584
http://www.bignewsnetwork.com/news/244555957/canadian-parliament-passes-government-assisted-suicide-law

カナダ、ウィニペグ州で個別に裁判所が「死ぬ権利」行使を認めた3人目は、MSの患者さん。
http://www.winnipegfreepress.com/local/patient-no-3-suffering-with-ms-wins-right-to-a-doctor-assisted-suicide-381320771.html




PASに使用するNembutalを中国やメキシコから輸入しようとしたNZの高齢者、税関で摘発。
http://www.stuff.co.nz/national/health/79092520/nelson-exit-members-bringing-in-lethal-drug-get-pinged-by-customs

安楽死も医師幇助自殺もMIDだのPADだのと、次々に言い換えられていくなぁ、と思っていたら、なんと今度は dignicide という新語ときた。「尊厳のために殺すこと」とは、言いえて妙でもある。
http://www.bioedge.org/bioethics/a-solution-in-search-of-a-name/11894

ブリタニー・メイナードさんの夫君、今度はオハイオ州で合法化に向けて活躍中。
http://www.lifenews.com/2016/05/20/brittany-maynards-husband-lobbying-ohio-to-legalize-assisted-suicide/

BioEdgeのSteve Matthewsインタビュー。vulnerability概念からの完ぺき主義としてのエンハンスメント批判、弱さと信頼関係、弱さを排除すべき対象とするのではなく、弱さを人間であることの一部と見なす視点。我々の人間としての道徳性に弱さを認めること。人の道徳性には弱さの体験が不可欠であることなど。たまたま弱さを抱えてしまった人へのセーフティネットとしてユニバーサル医療が正当化されるのではなく、弱さが人間の特性であるから正当化されるのだ、という議論。:ちょっと「ケアの倫理」に通じていく?
http://www.bioedge.org/bioethics/vulnerability-in-medical-contexts-an-interview-with-steve-matthews/11879

米国の自殺件数が急増していて、医師らから政府に対応の呼びかけ。
http://www.bioedge.org/bioethics/doctors-call-for-government-action-as-suicide-increases/11883

10月にシアトル大学で、VSED会議。Norman Cantor, Margaret Battin, Thaddeus Pope, Timothy Quill, Dian REhm, Robert Truog・・・
http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/05/hastening-death-by-voluntarily-stopping.html

新城拓也先生のヨミドクター記事 「人は自分の死をコントロールできるのか」 患者さんたちは衰弱した身体で毎日どう暮らすか、そして毎日をどう生きるか、ただひたすらに考えているように私には感じられました。……亡くなることはまだ先のこととして、今を生きている人たちがほとんどなのです実際に死の床にある人たちは、身体の苦痛がなければ、既にぼんやりとした意識の中で呑気に過ごしています。そのような現実の時間に、以前はっきりした意識だったときに考えた「エンディングノート」の内容をそのまま実践して良いのだろうかと、私は疑問を感じます。やはり、自分の想像できない自分の死への道程を「コントロール」し、「デザインする」ことは、現実的ではないと私は実感しています
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160511-OYTET50031/

CA州の無益な治療事件のIsrael Stinson君、キューバの病院へ。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/05/israel-stinson-still-dead-transferred.html

ジョージア州の無益な治療事件。Dinah Whitedちゃん 生後2ヶ月。Dinahちゃんの虐待で収監中の両親は、DNRに同意せず。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/05/new-georgia-case-parents-will-not.html

コネチカット州のGHで暮らしている障害者が自傷行為を含む怪我で頻繁にERに運び込まれており、本来はきちんと調査されるべきところ、ほとんど放置されている、との指摘が連邦福祉局の報告書で。
https://www.propublica.org/article/for-many-of-connecticuts-disabled-home-is-where-the-harm-is

日本。7000万円の成年後見制度利用促進法 家裁の人員や行政機関の職員の配置を充実させることが条文の中に記載されているが、それが7000万円の予算でできるとは到底思えない。ということは、これらの充実は条文には記載されているものの、実際に実現することを「すくなくとも」法律が成立したいまの段階で予定していない、とみるべきである
障害者権利条約12条との整合性の問題ももちろんあるが、それよりもなによりも、できないことや、やるつもりもないことを、できるかのように言って国民に説明するのはアンフェアーだ
http://bylines.news.yahoo.co.jp/satoshoichi/20160410-00056455/

ALS岡部副会長、きょう参院委出席 障害者の声が届く国会に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016052302000125.html

岡部さん一問一答 差別解消法の精神 具体的に表して
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016052302000124.html

悲願の「公的」24時間介護で自立生活 京都の難病男性
http://www.asahi.com/articles/ASJ5N369TJ5NUBQU008.html

ずっと言葉を持たないと思われていた重度の自閉症の14歳の少年が、警察に向けて手紙を書き、自閉症であることについて能弁に語った。
https://www.washingtonpost.com/news/inspired-life/wp/2016/05/19/this-non-speaking-teen-wrote-an-incredibly-profound-letter-to-police-about-autism/

マーティン・ピストリウス著『ゴースト・ボーイ』10年間の植物状態から回復した青年の実話手記。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4569827098?tag=hatena-b-22

かつてヤングケアラーだった豪の女性が、ヤングケアラーを主人公にした絵本 My Brother is Sick Again を出版。
http://www.abc.net.au/news/2016-05-25/my-brother-is-sick-again-childrens-book-story-for-young-carers/7441866

日本医師会会長の日本医学ジャーナリスト協会総会での講演。「地域包括ケアシステムに
おけるかかりつけ医の役割」5月20日
http://www.yuki-enishi.com/medical/medical-26.pdf

こんなはずじゃなかった 医師 早川一光 HNTV 5月26日放送。6月2日再放送。:わらじ医者の早川先生、ご自身が推進してきた在宅医療を受ける身となり、番組冒頭で「生活の中に医療がある」とおっしゃった。「同じだ!」と思わず手を打つ。ご自身が在宅医療は天国だと信じてやってきたが、様々な制度の問題で実際には「今は地獄」ではないか、とつぶやいておられた。
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2016-05/26.html

英国のGP 澤憲明医師による、講演「プライマリ・ケアを考える 英国でのGPの取り組み」5月21日
http://www.yuki-enishi.com/medical/medical-27.pdf

日本。高額新薬のジレンマ…高い効果 がん患者に希望、月260万円保険制度の危機
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160517-OYTET50019/


吐き気止めを含めて、多くの薬は妊婦で臨床実験が行われていない、という問題。
http://townhall.com/tipsheet/christinerousselle/2016/05/26/disability-groups-angered-over-movie-with-euthanasia-plot-n2169380

Science誌に発表された、米国の健康な人を病気に感染させる実験 Human Challenge Study(HCS)の実態。マラリア、インフルエンザ、シゲラ熱、デング熱ノロウィルス、結核、ライノウィルス、Eコリ、チフス、鞭毛虫、カンピロバクターなどに、ボランティアを感染させて行う実験。ロンドンに拠点を置く企業、hVIVOは、HCSを専門に扱っている。ボランティアはホテルに隔離されて、速やかな治療を受けられ、10日から14日間で3500ポンド程度を稼ぐことができる。:こうして貧困層が「自己決定」によって、人体実験のバイオ資材とされていく。
http://www.bioedge.org/bioethics/deliberately-infecting-healthy-patients-still-happensethically/11895

[ttp://www.nih.go.jp/niid/ja/route/mycosis/1972-idsc/iasr-out/3102-fr3951.html 2012年に発生したNew England Compounding Center製造の汚染ステロイド剤による髄膜炎アウトブレイク]の被害者が、未だに補償を受けられていない問題。
https://www.washingtonpost.com/world/national-security/everybody-has-dropped-the-ball-why-victims-of-the-deadliest-meningitis-outbreak-in-us-history-havent-been-compensated/2016/05/24/a7f2c37c-1ea1-11e6-8c7b-6931e66333e7_story.html

ハーバード大学で5月に、科学者、法律家、企業家など150人が非公開の会議で、人造ヒトゲノムについて議論。
http://www.bioedge.org/bioethics/scientists-discuss-synthetic-human-genome-behind-closed-doors/11884

米国でキメラ胚を使った実験、続行中。
http://www.bioedge.org/bioethics/experimentation-continues-on-chimera-embryos/11882

ワシントン・ポスト紙が、トランスヒューマニズムに関するシンポを主宰。大統領選にZoltan Istvan氏が出馬するなど、THニズムへの関心が高まっている。
http://www.bioedge.org/bioethics/washington-post-features-symposium-on-transhumanism/11887

不幸な結婚生活を送っている男性に糖尿病リスクが低い、との興味深い調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/310596.php

英国の高等裁から、独身者に代理母で生まれた子どもの親になる権利を認めないのは差別、との判断
http://www.bioedge.org/bioethics/landmark-uk-decision-broadens-scope-of-surrogacy/11896

プロファイリングで将来、犯罪を犯す可能性のある確率を割り出すソフトウエアができていて、裁判の判断資料としても採用されているというのだけど、そのソフトに人種的偏見が織り込まれている、との指摘。:読んでエントリーにしたかったのだけど、手が及ばなかった。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/05/hastening-death-by-voluntarily-stopping.html

インドネシアで、犯罪を犯した小児性愛者に化学的な去勢を刑罰として認める法律。
http://www.bioedge.org/bioethics/indonesia-legalises-chemical-castration-for-sex-offenders/11899

日本。子どもの買春・ポルノ被害、3人に1人が障害ある子
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160530-00000052-asahi-soci

現代の“奴隷制”。人身売買で、タイの漁船で労働、気に入らない行動があれば殺されたり海に投げ込まれたり。英国のマリファナ農場とネイルサロンで、ベトナムからだけでも子ども3000人が強制労働に。強制的に性労働に従事させられている人はILOの推計で450万人。世界各地で衣食も満足に与えられず強制的に物乞いをさせられている子どもたち。英国の家庭で奴隷労働を強いられている人々。
http://www.bbc.com/news/world-asia-36416751

フィリピンでは、親を含めた貧困層の大人たちが、身近な子どもたちをインターネットの性的虐待ライブ映像に使い、生計を立てている。
http://www.theguardian.com/world/2016/may/31/live-streaming-child-sex-abuse-family-business-philippines

米国で、近代に入って初めて、18歳から34歳の人のうち、親と一緒に暮らしている人が、パートナーと暮らしている人を上回った。
https://www.washingtonpost.com/local/social-issues/young-people-more-likely-to-live-with-parents-now-than-any-time-in-modern-history/2016/05/24/9ad6f564-2117-11e6-9e7f-57890b612299_story.html

日本語。イスラム組織、夫に妻への「殴打」許す法案提唱 パキスタン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160529-35083380-cnn-int

タイの虎寺院、冷凍庫に虎の赤ん坊40頭の死体。生きた虎への虐待も。
http://www.bbc.com/news/world-asia-36424091#%22

金森修先生が亡くなった。一度だけお目にかかって、ご講義を拝聴し、楽しい食事をご一緒させていただいた。私のことなどご存じないと思っていたのに、「アシュリー事件のこと、聞かせてくださいね」とおっしゃって、感激。拙著をお送りしたら、「またどこかで接点があるでしょうから」とメールを下さったので、次にお目にかかれる日をずっと楽しみにしていたのに、かなわなかった。シャープで、かっこいい方だった。合掌。
http://philosophy-zoo.com/archives/2230
https://www.bookscan.co.jp/interviewarticle/495/1