2016年7月1日のメモ

英国医師会BMAは、PASへの反対から中立への立場変更を求める動議を198対115で否決。中立を維持。
http://www.catholicculture.org/news/headlines/index.cfm?storyid=28634

カナダの尊厳死法は対象者を終末期に限定しているのは違憲だとして、BC州の筋ジスの女性Julia Lambさん(25)が州最高裁に提訴。
http://www.globalpost.com/article/6779000/2016/06/27/canadas-new-assisted-dying-law-challenged-court
http://www.courthousenews.com/2016/06/29/canadian-says-suicide-law-isnt-enough.htm

でも「予見しうる」死が要件なのだから、それが果たして本当に終末期の人に留まるのか、という疑問はあるし、この記事でも医師の解釈次第、という空気。
http://www.cmaj.ca/site/earlyreleases/21june16_doctors-left-to-define-foreseeable-death-in-new-law-cmaj.109-5293.xhtml

キリスト教徒の医師らも、今回の法で、医師に安楽死の実施が強要されていることを違憲として提訴する予定があるらしい。
http://www1.cbn.com/cbnnews/health/2016/june/canadas-christian-doctors-fight-assisted-suicide-law

カナダの今回の法整備を受け、今後、患者が拒んでいる終末期の延命治療を行った医師はクビになる可能性も。
http://www.theage.com.au/victoria/assisted-dying-doctors-may-face-sack-for-not-complying-with-endoflife-plans-20160624-gprp10.html

ギャラップ調査で米国人の69%が不治の病にかかった場合の安楽死合法化を支持。
http://www.cnsnews.com/news/article/gallup-euthanasia-widely-accepted-americans

ベルギーのカトリック系のナーシングホームがHuize Sint-Augustinusが、2011年に入所者の74歳の末期がんの女性に安楽死を行いに来た医師に対して、本人に会わせることを拒否したことをめぐり、女性の家族に5000ポンド相当の賠償金支払いを命じられた。ナーシングホームには、思想信条を理由に安楽死を拒否する権利はない、と。
http://www.christiantoday.com/article/belgian.catholic.nursing.home.has.to.pay.damages.for.refusing.euthanasia/89629.htm

JAMA6月号に、POLSTをめぐる議論。ここでも焦点はすでに、終末期の人限定とするか、それよりも対象を広げられるか。
http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/06/polst-evidence-of-safety-effectiveness.html

20年分、10カ国の38の研究で、総勢1200万人の患者について分析したところ、終末期の6ヶ月間に3分の1以上の患者が侵襲的で害をなす可能性のある治療を受けていた。:20年間の間には、ずいぶん終末期医療のあり方も変わってきただろうに。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/311292.php

日本。「いつまで生きるつもり」麻生氏発言、北海道の集会で
http://this.kiji.is/116536222949852663

患者や介護者による「健康と病いの語り」データベースなるものができているって、知らなかった。こういうもの、本当に必要だと思う。
http://www.dipex-j.org/

日本。ハートネットTVブログに「医療的ケア児 第1回 見過ごされてきた子どもたち」3シリーズ。第3回、悲痛。
http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/247227.html


フロリダ州、長年、虐待が問題になっていた障害児者の入所施設 Carlton Palms Educational Centerの監視を強化。入所者を順次、他の施設へ移すことに。
https://www.propublica.org/article/florida-cracks-down-on-troubled-for-profit-facility-for-the-disabled

一般的な鎮痛剤 Nurofenをめぐって、ビッグファーマのTVコマーシャルが不適切な宣伝内容で中止されるスキャンダル。
https://www.theguardian.com/media/2016/jun/29/nurofen-tv-ad-banned-over-painkilling-claims-in-landmark-ruling
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/shortcuts/2016/jun/29/how-big-pharma-misleads-us-from-painkillers-to-slimming-pills

日本。統合失調症薬で85人死亡…全患者の調査を要望: ゼブリオン 市販後2年余りで。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160623-OYT1T50034.html

日本。地域精神保健福祉機構から塩崎厚労相宛てに、「精神科における抗精神病薬プリオンの適正使用に関する要望書」6月21日付。
https://www.comhbo.net/wp-content/uploads/2016/06/youbousyo20160621.pdf

日本。乱用処方薬トップ5発表。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20150317-OYTEW54845/

医師の薬の選択と、製薬会社からの便宜や金銭供与とには相関があるとの3つ目の調査結果。
https://www.propublica.org/article/more-evidence-phrama-meals-are-linked-to-costlier-prescribing

日本。どの学会だったかのMSDによるランチョンセミナー「HPVを正しく理解するために」で、東大の渋谷健司先生「予防接種の重要性を改めて考える」。:冒頭、ビル・ゲイツが引用されている。日本でもだんだん露骨になってきた。渋谷氏とゲイツ財団とIHMEのMurray氏とWHOと、ゲイツ財団から日本の武田製薬にお越しになった山田氏のつながりについては ⇒http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64005541.html 

渋谷健司先生のシノドス(2014/2/24)の論考「グローバルヘルスが日本を強くする――日本人の多くがまだ気がついていない国家戦略」:ワクチンを含めた「グローバル・ヘルス」がいかに、もはや保健衛生の問題ではなくグローバルな政治経済の問題であるか、「大きな絵」がよく分かる。もちろん、そこにはゲイツ財団も山田氏もワシントン大学も登場している。そういえば、上のランチョンセミナーでも「マラリア撲滅」が登場している。まさに「日本人の多くがまだ気づいていない国家戦略」とは、著者の意図とは違う意味で、言い得ているなぁ、と思う。
http://synodos.jp/welfare/6770

日本。子宮頸がんワクチン薬害研究班に捏造行為が発覚 WEDGE
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/7080

日本。乳児への「予防接種拒否」で家裁が「親権喪失」決定・・・どんな背景があったのか?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/311292.php


日本人高齢者におけるアスピリンの心臓病リスク軽減に関する研究。Aspirin did not show any net benefit for the primary prevention of stroke・・・:でも、スタチン、ビタミンD、アスピリンは、「予防医療の三種の神器」
http://m.stroke.ahajournals.org/content/47/6/1605.abstract

日本。社員の幸福感、AIで測定・個別指南 日立が実験:こんな「管理と監視」をされたら、幸福感も労働意欲も下がるだけだと思うんだけど……日本の企業もマイクロソフト化してきたなぁ、と思い出したのはこれ ⇒ 従業員をパソコンで監視・管理する世界へ(2008/2/12)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ27H8L_X20C16A6000000/

日本語。「医療化」について興味深い解説。医療化とは、宗教、司法、教育、家庭などの社会生活のなかで起こっているとされてきたさまざまな現象が、次第に医療の対象とされるようになっていくことをいいます。これまで親のしつけや教育問題とされてきた「落ち着きのない子ども」「子どもの成績不振」が、多動症学習障害として認識されるようになったのも医療化の一例です。  プラスの面とマイナスの面とが挙げられていて、マイナスの面がなかなか鋭い。医療が常に倫理的に正しいという仮定が生まれる 医療によって社会がコントロールされる
http://www.healthliteracy.jp/senmon/post_13.html

もう一つ、「医療化」について、もうちょっと学術的な解説。患者の治療に対する期待に応えるために、生物医療が発達し、逆に患者をさらに囲い込む(=医療化する)という逆説 的な現象である、という批判も可能である。  ← ボイタ法、ドーマン法、アシュリー療法を思いだした。
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/090824medicalization.html

米国の数学者がインターネットで連絡してきた女性に精子を提供し、これまでに22人の子どもが産まれた、とのこと。
http://www.bioedge.org/bioethics/the-joy-of-fathering-22-donor-kids/11935

BioEdgeのCookは、英国のEU離脱について、英国は生命倫理の領域では功利主義的な路線を牽引してきたから、離脱でヨーロッパに及ぼす影響が低下すれば、生命倫理学の行く末にとってはプラスかも、という見方をしている。
http://www.bioedge.org/bioethics/what-does-brexit-mean-for-bioethics/11934

法王、消費社会の生命倫理における「完璧な人間」文化を批判。:「完璧な人間文化」って、つまりは”コントロール幻想”のことだよね。
http://m.stroke.ahajournals.org/content/47/6/1605.abstract


上記のニュースを受けて、WPに米国各州の中絶規制状況。
https://www.washingtonpost.com/graphics/national/abortion-regulations/

日本語。病院から闇市場へ売られる新生児、インド中部:せめて、売られていく先が、子どもがいなくて買ってでも育てたいという人たちであって、よもや人体を資源としてほしがっている辺りでないことを祈る思い。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160620-00010010-afpbbnewsv-int

他では人体模型などを用いている場面で、米軍が医療職の訓練に生きた動物を使っていることについて、People for the Ethical Treatment of Animals(PETA)が抗議。
http://www.nytimes.com/2016/06/26/opinion/ban-animal-use-in-military-medical-training.html?_r=0


日本。「子どもの権利」拡大認めず 日本会議から広がる運動
http://www.asahi.com/articles/ASJ6K6W6PJ6KUTFK01F.html

日本。【つくられた貧困】「自己責任論」を超えて 湯浅誠・社会活動家
http://www.nishinippon.co.jp/feature/tomorrow_to_children/article/254619