相模原障害者殺傷事件で、きょうされん専務理事 藤井克徳さんインタビュー

今日は
NHKの取材でドイツでナチスのT4作戦を取材してこられた
きょうされんの藤井克徳・専務理事のインタビューも出ました。



もっとも問題なのは、容疑者が優生思想を持っていることです。弱い者は社会の邪魔になるという考え方です。歴史の中でこれが一番際立ったのは、第二次世界大戦中のナチス・ドイツのT4作戦。これにより、20万人以上の障害のあるドイツ人らが虐殺されました。今回の事件は、それと重なって見えます。


みんなで積み上げてきたものが、ここで崩れないようにしなければいけない。


容疑者に精神障害や薬物中毒の可能性の報道があります。きょうされんには、精神障害者や薬物中毒者が対象の事業所も加盟しています。そちらの利用者も『自分たちへの偏見や誤解が増すのではないか』という不安を感じことを危惧しています。

報道機関へのお願いになりますが、視聴者に十分配慮した、冷静で適切な報道に徹していただきたい。精神障害であることを強調しすぎてしまうと、社会での見え方も変わってしまいますから。


『重度の障害者は生きていても仕方がない。安楽死させた方がいい』という容疑者の言葉に共感する人が出てくることを懸念しています。障害のある人も、懸命に生きています。容疑者の言葉に振り回されてほしくはありません。

とても不幸な事件でしたが、社会の有り様を考えるための新しいきっかけにしてほしいと強く思います。



なお、上記NHKの番組
「シリーズ戦後70年 障害者と戦争 ナチスから迫害された障害者たち」のサイトはこちら ↓

(1)20万人の大虐殺はなぜ起きたのか
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2015-08/25.html


(3)いのちの選別を繰り返さないために
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2015-09/15.html



日本尊厳死協会の前身である安楽死協会の創設者、
太田典礼の優生思想発言のエントリーを以下にTBしました。



【30日追記】
こちらにも藤井さんインタビュー。


 
「社会的に生産性が乏しいと、価値がない人間と断定されてしまう。今の社会にもそんな風潮があるように思います」と自身が全盲の藤井氏は語る。「今回のような犯罪に対して、社会の中に共感を覚えたり同調する人が出ることを恐れています。」


社会が不安定になればなるほど、人々は不満のはけ口を探し始める。典型的な社会的な弱者の障害者は恰好の標的となる。

 「もし障害者が居なくなれば、社会は次の厄介者を探し出す。それは高齢者かもしれないし、病気の女性や子供かもしれない。」そのような弱者探しの連鎖を続けて何になるのかと藤井氏は問う。