「親亡き後」問題とは、「現在の本人の生活状況から親の機能をマイナスしても支障がないか」でしかないか?

昨年秋に、


「ある母親にとっての『親亡き後』問題」というタイトルの論考を書きました。



アブストラクトは以下。

「親亡き後」問題とは、「現在の本人の生活状況から親の機能をマイナスしても支障がないか」でしかないのだろうか。

親にとっての「親亡き後」問題とは、親としてどのような体験をしてきたか、ひいては社会を、総体としての人間を信頼できるか、という自問であり続けるのではないか。

子の成人後も母親を介護機能とみなし依存してきた福祉のあり方も、地域で進行する制度の空洞化の実態も問われることがないまま、老いていく母親たちはいまや老親介護までダブルやトリプルで背負ってあえいでいる。

親が社会を信頼して「残して逝ける」ためには、まず母親たちを縛ってきた社会のバインドが解かれ、「機能」から「人」へと復権されることが必要だろう。

それは「固有の誰かの親であり子であること」が介護役割を通してゆがめられることなく、代替不能な固有の関係性として最後まで全うできるための支援への転換でもある。




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