イリノイ州のトンデモ精神科医、やっぱりビッグファーマから金もらっての過剰処方

以下のトンデモ精神科医、Michael Reinstein医師についての続報。



イリノイ州の検察長官と米国司法局は
Teva製薬会社の子会社であるIVAXが
メディケアとメディケイドの患者に対してクロザピンを過剰投与させるべく、
Reinstein医師に金銭を渡していた、と主張。

それに対して
Tevaは連邦政府に対して1550万ドル、
イリノイ州に対して1210万ドルの罰金支払いで和解に同意。

2012年にも連邦検察が
IVAX者が薬のプロモ目的で年間5万ドルの顧問料や
看護師への金銭支払い、同医師関係の研究機関への寄付行為があったとして、
同医師を訴えており、こちらの訴訟もまだ決着していない。



当ブログでは開設当初から
製薬会社の行き過ぎた人命軽視の販促と、
それによる製薬会社と医師や研究者と監督機関との癒着という
構造的な問題を指摘し続けており、

それは現在のグローバル化したネオリベ経済の中では
薬や医療機器、最先端医療をめぐる問題が、それらにつながる利権構造を通じて
医療の問題を越えて、すでに政治経済の問題と化している、という認識でもあるのですが、

どうも医療の内部に身を置いておられる医療職の方々には
そうした「大きな絵」を見通すことができなくて、
相変わらず「医療をめぐる問題は医療職の専決事項」という意識が強いために、
こうした事件に際しても医師個人の資質の問題に帰して理解しようとされる、

そこには、
それによって構造的な問題を直視することを回避しようとする
無意識が働いているのではないか、という疑問がずっとあったのですが、

この事件についても、
上記、2009年のエントリーのコメント欄で
医師が「信念」や「妄想」といったReinstein医師個人の問題に帰しておられます。

ワクチンの問題にも共通する
本質的な問題が理解されにくい溝と壁の構図がここにもあるように思います。