テキサスで新たな「無益な治療」訴訟

テキサス州の事前指示法―-通称「無益な治療法」――をめぐっては、
あまりにも多くの訴訟が起きているので、もうニュースにもならなくなった
という話もありましたが、

久々に、個別の事例の報道が目についたので。

患者はCarolyn Jonesさん61歳。

2017年に脳卒中を起こして以来、さまざまな医療機関を転々とし、
2018年11月からMemorial Hermann Southwest 病院に入院。

意識はあるが、人工呼吸器をつけているため会話はできない。
人工呼吸器の他、人工透析もテキサスの事前指示法では「生命維持」とみなされる。

医師と病院の生命倫理委員会の決定により、
生命維持中止の宣告を受けたのが5月2日。

転院先を探すための猶予は10日。5月13日になればCarolynさんは死ぬことになる。

主たる介護者である夫は、Texas Right to Lifeの協力を得て、
転院を模索しているが、病院から提示された転院先に移るためには
Carolynさんの場合、メディケイドの了解が必要となり、それには時間を要する。

そのため、夫はTexas Right to Lifeを通してついた弁護士と相談のうえ、
10日間という期間の延長を求めることも考えているとのこと。




公立福生病院の透析中止事件の報道のどこかで、
「透析をしている人は終末期」という誰か医師の言葉を読んだ記憶がよみがえりました。


【5月17日追記】続報。
キャロラインさんは13日に呼吸器を外されたものの、
多くの募金と支援者らの努力によって、プライベートな救急車で無事に転院された模様。
https://www.faithwire.com/2019/05/16/update-texas-woman-forcibly-taken-off-life-support-has-been-saved-by-a-pro-life-group/


【5月15日追記】
テキサスではこの法律をめぐる攻防が続いてきたけれど、最近もこんなニュース(4月30日)も。

Texas Committee Passes Bill to Overturn Rule Allowing Hospitals to Euthanize Patients After 10-Day Notification
https://www.lifenews.com/2019/04/30/texas-committee-passes-bill-to-overturn-rule-allowing-hospitals-to-euthanize-patients-after-10-day-notification/