上野千鶴子「情熱大陸」それから、ある母親の言葉

上野千鶴子さんが昨日の「情熱大陸」古市憲寿との対談で言っていたこと。

女の子たちがね、声を飲み込む。言わない。男を敵に回したくない。

これはね、やっぱり、すごい、もう、その辺に瀰漫している感じがするね。同調圧力というかね。

     ーー(中略)ーー

その都度、目の前のものにムカつくってことを、
ひとつひとつ、その時その場で言っていくことの蓄積の結果、今の私たちがあるんだから。

いちいち、ひとつひとつ目くじらを立てて、面倒くさい女になっていく。


この前、重い障害のある子どもを施設に入れている、あるお母さんが言っていたこと。

施設の家族会で会議があっても、言いたいことがあっても、言わない。言えない。

我が子が面倒を見てもらっているんだから、言えない。

他のお母さんも、同じことを言っている。

お世話になっているんだから、言えないよね。だから、黙っておこうね、とその人と話した。

言って、良くなるならいいけど……。言えない。


親たちがね。こうして声を飲み込む。言わない。
施設や専門職を敵に回したくないからね。

でもね、

あなたの施設でも、きっと、
誰かがひとつひとつその時その場で言ってきた蓄積の結果として「今」があるんだよ。