「私がケアラーになる前に誰かから教えてもらっておきたかったこと」

26歳の時にバイク事故で障害を負った夫を
24年間ケアしてきた女性が、Independent紙に書いている
「私がケアラーになる前に誰かから教えてもらっておきたかったこと」


○夫婦関係を維持する努力が必要になります。

夫婦間で介護し介護される関係になると、
生活ががらりと変わり、その変化に適応していかなければならず、
それぞれに夫婦関係を維持するための努力が必要となります。

自分が闘っている相手は、目の前の困難であって、
妻または夫と闘っているわけではないのだということを
常に忘れないようにしましょう。


○他人があるべき介護者像を押し付けてきても、あなたはあなた。

介護者とはどうすべきだとか、どういうものだとか、
世の中には誤った考えがうじゃうじゃしています。

でも、我が身を捨てて献身する役どころなんて、私はまっぴら。

私はジョンの妻であり母であり音楽教師。
そして、ついでにフルタイムのケアラーでもあるというだけ。

介護者という役割だけで見ないようにしてもらいましょう。


○障害者に対する世間の対応に準備を。

ジョンが車椅子に乗っていると、今でも
本人に聞けば済むことを私に聞く人に出くわします。
「ご主人、コーヒーにはお砂糖は?」みたいに。

私たちは夫婦で話し合って、そういう人にはどう対応するか、
自分たちなりの対処方法を決めました。

どうしても、そういう場面が出てくるなら、
2人ともが納得できる対処法を考えておきましょう。


○支援を求められる場所があります。

私がいま体験していることの辛さを分かってくれる人や、
同じ体験をしたことのある人たちからの支援は助けになりました。

自分が住んでいる地域で支援してくれるグループや組織について
情報を探してみましょう。

例えば、私の場合には、脊髄損傷協会が
気持ちの上での支援だけでなく、リハビリの情報を得るにも
助けになりました。


○介護を続けるための自分なりの工夫を。

思い切って介護が大変だと声を上げたのは私が初めてじゃないし、
そう感じている人は多いけど、でも
介護を続けることができる自分の力も侮らないで。

私は一日一日を、
「まだ誰も踏んでいない新雪」のような、まっさらの新しい日、と考えることが
介護を続けられる力になりました。

あ、それから、絶対忘れないでね。
大事なのは、ユーモア。


○あなた自身の生活は守れるし、ゼッタイ守った方がいい。

これはケアラーには何度でも言っておきたいこと。

自分自身を優先して、取れる時には介護から離れる時間をとってね。

介護から離れる時間を作ろうと思うと、いろいろややこしいけど、
それでも、自分はそんな時間が必要なほどがんばってないとか、
そんな時間なんか自分には無用だなんて、思わないこと。

ケアラー自身の生活を確保することも、
ケアラー自身の健康を大事にすることも
どちらも必要なことなのだから。
 


What I wish someone had told me when I became a carer
Annie Bamforth
The Independent, October 1, 2015