DPI日本会議から「相模原市障害者殺傷事件に対する抗議声明」

                                        2016年7月27日

相模原市障害者殺傷事件に対する抗議声明

                   特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
                                        議長 平野みどり


わたしたちDPI(障害者インターナショナル)日本会議は、
障害の種別を越えて障害者が障害のない人と共に生きることができる
社会づくりのための運動を行っている団体であり、
北海道から沖縄まで91の団体で構成されている障害当事者団体である。
2016年7月26日未明に相模原市の障害者施設で起きた障害者殺傷事件により
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、
負傷された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

現時点で事件の全容は不明でありその解明は今後を待たなければならないが、
報道によると容疑者は深夜に施設に入り、障害者を刃物で次々と襲い、
殺傷し、神奈川県警の調べに対し「障害者なんていなくなればいい」という
趣旨の供述をしているとも伝えられている。

もし、これが事実だとすると、障害者を「あってはならない存在」とする
優生思想に基づく行為に他ならず、私たちDPI日本会議はここに
強い怒りと深い悲しみを込めて断固として優生思想と闘っていくことを改めて誓う。

近年、閉塞感が強まる中、障害者をはじめとするマイノリティに対する
ヘイトスピーチヘイトクライムが引き起こされる社会状況の中で、
今回の事件が起きたことを看過してはならない。

ヘイトスピーチヘイトクライムを許さず、それらが引き起こされる社会状況を変革し、
誰もが排除したりされたりしないインクルーシブな社会づくりを進めていくことが求められている。

障害者分野では、2014年に障害者権利条約が批准され、
今年4月からは障害者差別解消法が施行されるなど、
障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会=インクルーシブな社会づくりを
目指した取り組みが進められてきた。

私たちは、今回の事件にひるむことなく、障害者の生命と尊厳がまもられ、
様々な権利が行使できるように、インクルーシブ社会に向けた活動をより一層強める決意である。

なお、容疑者とされる者の入院歴等が一部マスコミで取り沙汰されているが、
事件の全容が解明されていない中で偏見と予断を煽りかねない報道は
差し控えられることをあわせて求めるものである。

以上