海やアシュリーのこと

母親仲間の記事「楽しかった保育」を紹介します

娘がお世話になっている重症児者施設でご一緒している K君のお母さんが園の新聞(3月25日発行)に書かれた記事 「楽しかった保育」を、ご本人の了解を得て、転載させていただきます。 「楽しかった保育」 息子は2歳の時、急性脳症で一夜にして寝たきりになり…

「ナースの昔語り」シリーズ 6: けんちゃんの冒険

ずううっと昔のあるお休みの日、 忘れ物をとりに息子さんをつれて療育園に行った看護師のMさんは、 師長さんから詰め所に呼ばれました。 けんちゃんが、その数十分前に亡くなっていたのです。 奥さんに電話をして息子さんを迎えに来てもらい、 Mさんは療育園…

水晶玉

お母さん! お父さん! 今日は大変だったんですよ(笑)!! 今日は成人活動が予定されていなかったんですが、時間に余裕があったので、 個別活動をしようということになったんです。 で、今日は私は海さんにしようと思い、伝えました。 「海さん、個別に行…

行事にいってやれなかった日

昨年末、母の四十九日の法要が参加者みんなの都合によって 1月の第3日曜日と決まりました。 海の父親の職場は第3と第5の土曜日はお休みになりません。 第1、第2、第4土曜の週末であれば、 せめて金曜の夜から土曜の夜までなりとも帰省させてやれるのですが…

in memory of ashley

2011年に上梓した『アシュリー事件 メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』が おかげさまで昨年、重版となりました。 生活書院さんに企画をご相談した時に 「売れないかもしれないけど、これは関わらせていただくべきお仕事」と 即答で引き受けてく…

おしっこ

親の老いに伴って 海をお風呂に入れるのが段々と大変になりつつあるから思うことではあるのだけど、 数週間前の週末、 親子3人でぎゅう詰め状態で湯船に浸かりながら、 ふと頭に浮かび、口をついて出た。 もう28年間も夫婦でこうやって海をお風呂に入れてき…

「ナースの昔語り」シリーズ 5: 通学ボランティア

海の担当ナース(男性)は 海が初めて短期で入園した5歳の頃からの知り合いで、 とても文章がうまい「文豪ナース」でもあります。 海の担当になったのを機に連絡ノートに、 昔の思い出話をいろいろと書いてくださっており、 ご本人の了解を得て、その一部を…

恋するウチの娘が「家に帰りたくない」と泣きやがった夜……

10月にこちらのエントリーでも書きましたが、 ここしばらくウチの娘は「支援職のHさんLOVE!」ブームで、 連絡ノートも「Hさんネタ」が多いこと。 夜、もう眠りこんでたのに 他の人の介助でHさんが部屋に入ってくるや、バチッと目を覚まして せっかくのポジ…

思考力

海の入浴時、 ネット製のシャワー・ベンチに寝転んだ海の両側に親が座ります。 身体を洗うのは母がメインで父親がサブ。 シャンプーは父親がメインで母親がサブ。 で、シャンプー時、何度か父親から 「はい。お母さんのほうを向いて」 「じゃぁ、今度はお父…

呼ぶ

「昔語りシリーズ」の看護師さんは、海の担当さん。 6歳で入園した時から海を知ってくださっている 数少ないスタッフの一人。 たいていは廊下の奥まった詰め所の向いにある、 重度の人たちのお部屋で働いておられることが多いのだけれど、 海は別の部屋や廊…

「ナースの昔語り」シリーズ 4: おかえり

おかえり 体調を崩して、総合病院へ入院していたKさんが無事に帰って来て、 また元気な姿を見せてくれました。 そこにいることが当たり前な人がいないことは、やはり寂しいもので、 元気な姿を見たときには、そばに行かずにはおれませんでした。 しかし仕事…

「ナースの昔語り」シリーズ 3: 療育園LOVE

療育園LOVE 今から15~6年前の頃は、若い20代の看護師さんは、 成人病棟から療育園に異動すると、とっとと退職されていく方が少なくなかった気がします。 「だめー。生理的に受け付けない」とか 「看護師の仕事じゃないじゃん」とか。 利用者さんのそばにい…

「ナースの昔語り」 シリーズ 2: かっちゃんのお父さん

「かっちゃんのお父さん」 20年くらい前の、ある面会日のこと。 ゲンちゃんは、家庭の事情で面会者はなく、そんな時はシリーズ1のこうちゃんの時のように、手の空いた職員の出番です。 (当時は、職員にも、面会者のない人と一緒に過ごすくらいの時間の余裕…

「ナースの昔語り」 シリーズ1 : こうちゃんとイモ堀り

海が6歳で入園した当時からの(もちろん何度かの異動はあったけど) 昔なじみの看護師さん(男性・40代後半?)が、最近、 昔の出来事をいろいろ語ってくださるのですが、 それが、どれもこれも、 シェアせずにいられないほど面白く心に響く話ばかりなので、…

【拡散希望】ドキュメンタリー映画「風は生きよという」 (風とは人工呼吸器の音のことです)

イントロダクション 呼吸器から吹く風に乗り、つながりあう人と人との物語。 もしもあなたが、病気や障害のために身体を動かせなくなったとしたら、 どんな人生を想像しますか? 映画が映し出したのは、ふつうの街でふつうの生活を送る人びと。 特別なことと…

奥の院

6年も前にこちらのエントリーに書いているように ↓ ポニョ(2009/7/23) 海は療育園に親がいる時、 「親に言えば、やってもらえる(やらせられる?)こと」と 「ここでは親に言っても意味がないこと」をちゃんと区別していて、 前者は親に要求するが、後者は親…

「正しかった Iくん」

以下、海の担当の看護師Mさん(男性)からの連絡ノート。 Mさんは、絶妙に個性的なストーリー・テラーで、 いつも愉快なお便りで楽しませてくださるのだけど、 今回は「正しかった Iくん」というタイトルまでついた超大作。 「お便りノート」史上最高の傑作…

ぷろぺと

最近、ウチの娘はなぜか プロペト(白色ワセリン)がえらく気に入っている。 前の看護科の担当職員の方が 療育園でお風呂上りに塗ってくださっていて、 いつのまにか我が家の引き出しにも常駐するようになったもの。 お風呂上りに 前はちゃんと海用に買った…

セーター

先週、片づけものをしていた夫が 珍しく声を弾ませて「こんなものが出てきたよ」と言い、 コタツの上に広げて見せてくれたのは、 小さな白いセーター。 「うわ~。これ、捨てずにとってあったんじゃ~」 「な~つかし~」 たぶん海が小学校に上がる前後くら…

シャンプー

よく行くショッピング・モールへ 海といつもの「買い物&ランチ」。 レストラン街に新しいお店がいくつもできていて、 その中の中華のお店をチョイス。 メニューはいちおう見せるけど、 海のオーダーは大好物だから、 「やっぱり坦々麺?」 「ハ!」 時々、…

ぐりぐり

親子3人で近所のスーパーで買い物をしていると、 「あらっ? 海ちゃん……?」と声がして、 海の車いすに駆け寄ってきた人があった。 なんと、 幼児期の海が散々お世話になった総合病院の小児科の処置室にいた、 点滴を入れるのが、むっちゃ上手だった”神の手”…