気になること

フランスで5~6世紀のダウン症児の骨を発掘 差別されていなかった?

The International Journal of Paleopathologyに掲載の論文によると、 フランス北東部のSaint-Jean-des-Vignesから発掘された 5または6世紀のものと見られる5-7歳の子どもの骨は これまで発見された最古の、また最年少のダウン症児のもの。 性別は不明。 ダ…

私たちが格安のエビを食べられる背景に、タイの奴隷労働

グローバルなネオリベ世界で 奴隷労働がはびこっている事実については 前のブログから何度もエントリーに拾ってきましたが、 世界の「奴隷労働」を、拾った記事から概観してみる(2011/1/20) そうなのか……。 ここまできているのか……。 英米はじめ世界中の大手…

ERまで“人工冬眠”療法の実験場に? 「インプライド・コンセント」という名のIC不要論

これも以下の“ぐるぐる”や 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 1(2014/4/22) 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 2(2014/4/22) 昨日のエントリー ↓ の関連。 臨床現場を医療研究の実験場に転じるLearni…

臨床現場を医学研究の実験場に転じるLearning Healthcare Systemと、IC不要論

実は、こちらのエントリーで書いた“ぐるぐる”の関連でもあるのですが ↓ 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 1(2014/4/22) 「自己決定権」と「医療の不確実性」の関係をぐるぐるしてみる 2(2014/4/22) ちょっと気になる論文を読ん…

地域ドゥーラ・プログラム

ドゥーラといえば、 エヴァ・キテイの『愛の労働あるいは依存とケアの正義論』で読んだ記憶がある。 関連はこちらに ↓ サンデル教授から「私の歎異抄」それからEva Kittayへ(2010/11/25) ACからEva Kittayそして「障害児の介護者でもある親」における問題の…

処刑に参加し、息子を殺した男の顔面すっぱたいて許した両親(イラン)

「目には目を」のイランの処刑は公開で行われ、 殺人犯の絞首刑には被害者遺族が参加し、 囚人の乗った椅子をはらう部分を担当するという。 で、この日 7年前に18歳の息子Abdollahさんを殺されたHosseinzadeh夫妻は 犯人であるBalalの処刑の場にいた。 目隠…

ハリウッド映画 ”Transcendence”は、THニズムとシンギュラリティがテーマ

トランスヒューマニズムとシンギュラリティ(特異点)については、 アシュリー事件にやたらトランスヒューマニストが登場したのを機に 2007年からしばらく、前のブログであれこれ拾ってきた。 2007年に初めて書いたTHニズムについてのエントリーはこちら ↓ …

Diekema医師11日に講演「アシュリーX再考:成長抑制と重症発達障害のある子どもたち」

Douglas Diekema医師が 4月11日にミネソタ大学で講演。 タイトルは Ashley X Revisited: Growth Attenuation and Children with Severe Developmental Disabilities. 「アシュリーX再考:成長抑制と重症発達障害のある子どもたち」 http://medicalfutility.b…

米国の代理母: ベビーMもすでに28歳

代理母のMary Beth Whiteheadさんが 1万ドルでStern夫妻と代理母の契約をしながら 女児誕生後に引渡しを拒んでStern夫妻から訴えられたNJ州の事件、 いわゆる「ベビーM」事件(1988)では、 生まれた子どもの親権こそ子どもの最善の利益として 依頼者側の夫…

母を殺す男たち

英国では 女性が週に2人の割合で 現在あるいはかつてのパートナーに殺されている。 その一方、息子に殺された女性が 2012年には16人。 2013年には12人。 今年に入ってすでに母親を刺した容疑で起訴された男性が2人いる。 その中の少なくとも4人のケースで い…

NYT「億万長者が手前勝手な理想で米国の科学を民営化している」

NYTに標題のタイトルの記事があり、 そこに、目新しい表現がある。 Science Philanthropy …… 直訳すると「科学慈善」 Science Philanthropist …… 直訳すると「科学慈善家」 記事の概要は以下。 The American Association for the Advancement of Scinenceの…

イリノイ州のトンデモ精神科医、やっぱりビッグファーマから金もらっての過剰処方

以下のトンデモ精神科医、Michael Reinstein医師についての続報。 1人でTX州の総量をはるかに越える統合失調治療薬を処方する精神科医が野放し……の不思議(2009/11/30) イリノイ州の検察長官と米国司法局は Teva製薬会社の子会社であるIVAXが メディケアとメ…

【お知らせ】守田憲二さん講演「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか」2月2日

貴重な情報を教えてくださるなど いつもたいへんお世話になっている守田憲二さんが2月2日、 臓器移植法を問い直す市民ネットワークの第5回市民講座で講演されるそうです。 タイトルは 「死体とされた人からの臓器摘出に、なぜ麻酔や筋弛緩剤を使うのか?」 2…

新ローマ法王のクリスマス・メッセージ

フランシスコ法王は初めてのクリスマス・メッセージを、「より良い世界を願い、身を低くして自らの義務を果たそうとしながら他者を思いやる」全ての男女に向けて送った。 ……法王の、率直でほとんど普段の会話のような語り口調、そして社会の周縁にいる人々へ…

BioEdgeが選ぶ「2013年の10大ニュース」

去年まで前のブログで拾ってきた自前の情報の中から その年の重大ニュースを問題ごとにまとめのエントリーにしていたのですが、 今年は途中でそちらのブログを休止しているので、 代わりに、 いつもお世話になっているBioEdgeの10大ニュースを。 1.「試験…

“代理母不足”を解消して“生殖の平等”実現へ(イスラエル)

イスラエルのYael German保健相が 生殖法の改正計画を発表。 同性愛のカップルがイスラエル人の代理母に頼んで 子どもを持つことができるようにすることや、 結婚した男女が配偶者に知らせることなく 第三者との間で生殖医療を受けることも認める方向。 保健…

マラリア問題を通して「帝国医療」の姿勢を問い直す論考

「マラリア問題」とは何か ナイジェリア・ラゴスの貧困層を事例に 玉井隆 アフリカNOW No. 94 (2012年発行) 著者はナイジェリア、ラゴスの「いわゆるスラムと呼ばれる場所」で 以下のような視点に立ち、マラリアに対する住民の医療実践について研究している…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 3

(前のエントリーからの続きです) より広範な問題 しかし問題は個々のアプローチの手直しで解決できるものではなく、死にゆく人へのケアに関する、もっと広範な問題。 環境と備品 触れる人は少なかったが、患者に提供される環境と備品など施設面での問題も…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 2

(前のエントリーからの続きです) ケアプランへの親族の参加 多くの親族と介護者がケアプランに関する議論に加えてもらっていないし、加わるよう求められたこともないと感じている。中には何の説明もなくパンフレットを渡されただけという人や、患者が死に…

リバプール・ケア・パスウェイに関する調査報告書(英) 1

【12月19日追記・訂正】 前のブログからこれまでずっとLCPについては 「終末期ケアのプロトコル」としてきましたが、そこには2つの誤りがあり、 ①「終末期」というと通常は余命6ヶ月とされているのですが、 LCPは「余命数日ないし数時間の臨死期」の患者さん…

武田製薬の新社長はグラクソのワクチン社から

もうこの手の話題には触れずにおきたいと思ったのだけれど、 やっぱり気になるというのか、 このところ拾った話題のあれこれが 一見すると互いに繋がりなんかないように見えるけれど、 実はこれらはみんな繋がっていて、 さらに、これから日本で起こることに…

企業パワーによる民主政治崩壊 & 大学での人文系学部の衰退

民主的選択の崩壊の理由はこれである。政治への我々の幻滅の根本もこれである。口にすることもはばかられる強大な力(spitzibara注:『ハリー・ポッター』のヴォルデモートのように)とはこのことである。すなわち企業の権力のことだ。メディアはその名をささ…

豪・NZ緩和医療学会の安楽死・自殺幇助への反対声明

オーストラリアとニュージーランドの緩和医療学会(ANZSPM)から 安楽死と自殺幇助の合法化に反対声明が出ています。 こちらからフル・テキスト読めます ↓ http://www.anzspm.org.au/c/anzspm?a=da&did=1000948&pid=1383782594 まずポジション・ペーパーの目…

『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩』

例によって、 いただきものの興味深い論文。 『臓器移植における倫理的な看護場面での看護師の苦悩 ――1事例の分析を通して――』 林優子、谷水名美、赤澤千春、山浦晴男 大阪医科大学看護研究雑誌 第3巻(2013年3月) 全文がこちらで読めます ↓ http://www.osa…

幹細胞ドナー候補となったきょうだいのトラウマ

以下の大変興味深い論文をいただいた。 幹細胞移植ドナー候補となったきょうだいに対するトラウマの視点からの心理的評価 東飛鳥, 小林明雪子, 小澤美和, 細谷良太, 子どもの心とからだ, 2013 May, Vol.22, No.1 要旨は 小児がん患児に幹細胞移植が必要と判…

アルコール依存症治療薬 レグテクト

レグテクトとは ↓ http://kusuri-jouhou.com/medi/sonota/acamprosate.html で、 「新薬で広がる断酒治療法」と題した 10月29日の毎日新聞の記事によると、 今国会に議員立法で「アルコール健康障害対策基本法案」が提出される見通し ……なんだって。

「周辺」を先進国内に作っていく「帝国」

昨日の毎日新聞の文化面で 『パラダイムシフト――2100年への思考実験 第2部 脱「成長」への道 6」として 水野和夫さん(エコノミスト、日本大教授)による 『資本主義の「過剰」性、、是正を』という寄稿が 掲載になっており、 どすん、どすん……とばかりに…

【レポート】10代の介護体験を考えるセミナー

日本でも少しずつ ヤングケアラーへの支援への模索が始まっています。 10月6日に開催された「介護なんでも文化祭」で 日本ケアラー連盟の主催により「10代の介護体験を考えるセミナー」が開催され、 16歳から認知症の祖母の介護を担い、22歳の時に看取りを終…

英国保健相が「アジアの家族介護の伝統に学べ」

日本の我々が目指すべきモデルとして憧れをこめて その福祉制度に何度も言及してきた国、英国が 逆に「アジアの家族介護の伝統と敬老の精神に学べ」と言い始めている。 ジェレミー・ハント保健相は 18日の児童・成人サービス・カンファでのスピーチで、 親や…

16歳は中絶するには未成熟だから、生んでその子を養子に出せ……って?

一昨日、前のブログでのaccelerationさんとのコメントのやり取りから、 英国、米国の未成年の医療をめぐる意思決定で、 自分の意思を尊重してもらったり、時により自己決定権を認められる だいたい12歳、13歳以上とされているらしい Mature minor (成熟した…