気になること
IT長者と科学研究の関係性について 非常に気になるニュースが2つ。 ① ロシアの億万長者 Yuri Milner他、 FacebookのMark Zuckerbergと彼のパートナーのPriscilla Chan、 グーグルのSergey Brin、ブリンの元妻でDNA解析サービス23andmeのAnne Wojcicki、 それ…
米国の生殖補助医療界が2000年に作ったガイドラインで 卵子ドナーへの支払いに1万ドルの上限を定めていることを不当だとして、 女性たちのグループが集団訴訟を起こした。 卵子の価格に上限を設けることは違法な価格操作である、と主張し、 ドナー精子の価格…
以下のエントリーで拾った話題の続報のようなニュース。 元ヘッジファンド・マネジャーの製薬会社CEOが薬の値段を40倍も吊り上げて開き直り、ファーマ業界からも総スカン(2015/9/25) 今度の会社は急成長中の Valeant Pharmaceuticals International。 例えば…
62年も前からあった薬、Daraprimの値段を 一錠18ドルから750ドルに40倍も吊り上げたのは、 Turing 社のCEO Marin Shkreli氏(32)。 同氏は、以前はヘッジファンドのマネジャーだった。 Daraprimは、 HIVとかガンの患者では命取りとなる寄生虫感染の治療薬。…
抗ウツ剤パキシルを巡るグラクソ・スミス・クライン(GSK)のスキャンダルについては 2008年に前のブログ出拾った以下の情報などで知るようになりました。 抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17) 抗ウツ剤めぐる研究…
白人の同性愛カップル、 Jennifer Cramblettさん(37)とAmanda Zinkonさんは、 現在3歳の娘 Paytonちゃんを体外受精で妊娠した際、 注文したのは青い目&金髪のドナー精子だったのに、 誤って黒人ドナーの精子が使われたとして、 Midwest 精子銀行を相手取…
BMJに気になる論文が発表されています。 Mental illness, challenging behaviour, and psychotropic drug prescribing in people with intellectual disability: UK population based cohort study Rory Sheehan, academic clinical fellow1, Angela Hassiot…
これまで2回、認可申請を却下されてきた バイアグラの女性版で「ピンク・バイアグラ」とも呼ばれる、 Addyiが米国でついに認可された。 FDAの米国薬ライセンス委員会で証言した女性の中には かつての情熱とロマンスを取り戻すことができると訴える声もあった…
The Center for Bioethics and Cultureが “eggsploitation”に関するビデオをシリーズで出しており、 その第4作目 “Maggie’s Story”が公開されている。 eggsploitationとは、eggs (卵子)と exploitation(搾取)とを合わせた造語で 卵子提供産業による若い…
プロ・ライフ系のサイト、National Reviewが Planned Parenthoodの幹部が人体組織調達企業のスタッフを装った相手に対して、 いかに要望のあった臓器をつぶさないように胎児を中絶するかという方法や、 いかにそれぞれの臓器に多くの需要があるか、法律はい…
脳卒中や心筋梗塞の治療、血栓症予防に広く使われている血液抗凝固薬 ワーファリン(Coumadin)をめぐる問題で、 米国のナーシング・ホームの高齢者が命を落としたり 重大な健康被害を受ける事例が増えている。 ワーファリンは治療効果が大きい反面、 同時に…
7月10日のメモで拾った、CA州のワクチン新法について NYTの社説。 CA州では 昨年ディズニーランドでの感染から麻疹が広がった事件を機に、 じわじわと高まりつつあったワクチン接種の義務化論が加速し、 これまで、親が申告すれば 宗教的な信条やワクチンの…
とても重要な論文をいただきました。 Aさん、ありがとうございます。 ヒト・パピローマゥィルス・ワクチン関連神経免疫異常症候群の臨床的総括と病態の考察」 横田俊平(東京医科大学医学総合研究所小児難病部門長/横浜市立大学医学部小児科) 黒岩義之(帝京大…
5月27日のNYTのオピニオン・ページに、 ピーター・シンガーのインタビュー記事がある。 インタビュアーは George Yancyという黒人のDuquesne大学哲学教授。 Yancyはまず最初にSingerに、種差別の定義を求め、 種差別は人種差別と異なっていると考えているの…
① 地震のネパールから代理母は置き去りに子どもだけイスラエルへ インドとタイが代理母産業への規制を強化して後、 インドのエージェンシーが顧客をネパールへ回し、 ネパールは人知れず、代理母産業のハブとなっていた模様。 イスラエルでは同性愛者や独身…
ちょうど1年前に拾った、以下の話題の続報。 「死ぬ権利」の次は、未承認の実験的新薬を「トライする権利」(2014/5/19) Art Caplanって、ペンシルベニアからNY大学へ移ってから なんか言うことがちょっと変わってきたんでは……? と そこはかとなく感じていた…
ジャーナリストの斎藤貴男氏が 『子宮頸がんワクチン事件』(集英社インターナショナル)という新刊を上梓している。 パッと表紙を見た時に タイトルに「事件」と銘打たれていることに 違和感を覚える人も少なくないかもしれない。 これは、そういう人にこそ…
中国では公式のドナー登録者は非常に少ないにもかかわらず、 年間10000個の臓器が移植されて、 いまや10億ドル産業と化した臓器移植ツーリズムの名所となっている。 では、その臓器はどこから来るのか。 人権弁護士のDavid Matas氏は 「臓器目的で殺されてい…
ちょっと前に、某所で、ある人から 劇団態変の機関紙、「イマージュ」の2015年2月号をいただいた。 (白状します。これをいただくまで、 私は劇団変態だとばかり思いこんでいました。ごめんなさい) そこに、第62回公演作品の『試験管』について、 「態変表…
ピーター・シンガーの新刊が4月に出る。 タイトルは ”Doing the Most Good: How Effective Altruism Is Changing Ideas about Living Ethically” 直訳すれば 「最大の善を成すということ:「効果的利他主義」が倫理的な生き方に関する考えをいかに変えつつあ…
ついさっき、以下の日本語ニュースを目にした。 避妊手術で10人死亡=5時間で80人施術か―インド 時事通信 2014年11月11日 とても悲しい。 いつかこういうことが起こると思っていた。 というか、たぶん、ずっと前から起こっていたんじゃないだろうか。 ただ、…
10月28日のメモで取り上げた Wilfondらの倫理コンサルテーション・サービスに関する Nature の記事を読んでみた。 シアトル子ども病院トルゥーマン・カッツ小児科生命倫理センター、ディレクターの Benjamin Wilfondが中心となり、35人の生命倫理学者が立ち…
【お詫び:8月25日夜追記】 このエントリーは アカデミズムとジャーナリズムのあり方について書きたかったものであり、 どなたか個人を非難する意図のものではありませんでしたが、 24日にアップしたエントリーは私の未熟から、 個人を批判するような書き方…
5日の以下のエントリーで拾ったタイの代理母の一件について、 豪の代理母依頼者夫婦がダウン症の子どもの引き取りを拒否した事件から、代理母関連のまとめ(2014/8/5) 実は私も最初の報道を見た時には、 さほど大きなニュースだとは思わなかった。 だから第一…
オーストラリアの夫婦がタイの女性、Pattharamon Janbuaさんに代理母を依頼しつつ、 生まれた双子のうちダウン症の男児の引き取りを拒否したケースが ここ数日、大きなニュースになっているなと思っていたら、 今日の夕方のNHKニュースでも取り上げられてい…
7月26日のエントリーのコメント欄での hijijikikiさんとのやりとりで、昨日、 「コントロール幻想」について、以下のように書いたところ。 科学とテクノロジーの発達によって、 あたかも人の体も能力も命もいかようにも操作・コントロールが可能になったかの…
NYの3家族が、 ワクチンを受けていないという理由で子どもが学校への入学を拒否されたのは 人権侵害である、として訴えた訴訟で、 ブルックリンの連邦地方裁判所から 入学拒否を認める判決が出ている。 原告側は上訴。 この問題でKlugmanという生命倫理学者…
ヘイスティング・センター・レポートの以下の論文。 Have We Asked Too Much of Consent? Barbara A. Koenig, Hastings Center Report, Article first published online:9 JUL 2014 アブストラクトは Paul Appelbaum and colleagues propose four models of …
13日のメモで拾ったオランダの医師による女性の不妊手術へのIC要件緩和提言の論文、 ネット上で全文を読めるようになっていたのでプリントアウトして 読んでみた……というか、読もうとトライしてみた。 FIGO’s ethical recommendations on female sterilizati…
米国社会が親に対する監視社会化を強めていることは 谷口輝世子さんの本でも読んで気になっていたし、 前のブログでも何度か関連記事を拾ってきたけれど、 「子どもがひとりで遊べない国、アメリカ」から「メディカル・コントロールの世界」へ(2011/12/20) …