2016-01-01から1年間の記事一覧

海の自己決定 in 日常

重心における本人中心の意思決定とは何か……みたいなことを 2年前の重心学会や、昨年末のびわこ学園の実践報告会なんかで エラソーに言わせてもらったんですけれど……。 それは案外に、とっくに療育園で娘の日常の中に ちゃんと根付いているものでもあり。 以…

高草木光一編『思想としての「医学概論」- いま「いのち」とどう向き合うか』 2

(前のエントリーからの続きです) なぜ、いま澤瀉『医学概論』なのか――。 これが、 高草木氏の論考「澤瀉久敬『医学概論』と三・一一後の思想的課題」のテーマだと思うので、 西洋思想史的な素養がないために読みきれないところはすっとばして、 分かる範囲…

高草木光一編『思想としての「医学概論」 ー いま「いのち」とどう向き合うか』 1

高草木光一編 佐藤純一 山口研一郎 最首悟 『思想としての「医学概論」― いま「いのち」とどう向き合うか』(岩波書店 2013初刷、2015第5刷) 2012年度慶應義塾大学経済学部専門特殊科目「現代社会史」(春学期集中)での 著者4人の講義と、その後に行われた…

山本洋子『死に場所は誰が決めるの?  EVウイルスT型悪性リンパ腫の夫を看取った妻の記録』

山本洋子『死に場所は誰が決めるの? EVウイルスT型悪性リンパ腫の夫を看取った妻の記録』(文芸社) 保健師だった知人の手記。 夫を看取った後でご自身のガンがわかり、 闘病しながら執筆し、校了の10日前に著者自身も亡くなった。 開示請求で取ったカルテと…

2016年10月14日のメモ

NHKハートネットTV カキコミ 【募集中】障害者の暮らし―相模原市の障害者施設殺傷事件を受けて みなさんはどう思いますか? 「障害者が施設で暮らすこと」「地域で暮らすこと」について、体験談やご意見をお寄せ下さい :「施設で暮らす」か「地域で暮らすか…

オランダ政府、「もう人生は生き終えた」と考える健康な高齢者への安楽死拡大を検討

終末期に限らず、精神障害者や認知症患者など対象者も拡大しつつ一方で、 2015年は5516人で、全国の死亡件数の3.9%を占めるなど、 過去10年間、安楽死者が増加の一途を辿っているオランダで、 保健大臣、Edith Schippers と、法務大臣 Ard van der Steur が…

オランダで今度は強制的避妊?

ロッテルダムの市議会議員から 明らかに子育てに不向きな女性には強制的に避妊を行おうとの提言が出てきている。 BioEdgeの記事の引用(引用元の情報はなし)によると "[the proposal] concerns children who are born into families where it turns everybo…

安楽死・自殺幇助関連の最近の動き

最近なんだかバタバタして、きちんとエントリーにできない情報ばかりなのですが、 安楽死・医師幇助自殺の関係ではあちこちで気になる動きが続いているので、 取り急ぎ、メモ的に。 以下には含まれていませんが、これまでメモで拾ってきたように、 コロラド…

2016年9月26日のメモ

ヤングケアラーは学業や就業で不利になるため、介護負担が終わった将来、社会的弱者となって社会保障の負担となる、という捉え方が豪で出てきている。彼らが介護を担っていることで社会保障費は削減されているし、そうでなくても自分の人生を家族のために犠…

英国産婦人科学会「ダウン症の人のケア・コスト削減効率考え、全妊婦に新型出生前検査を」

新型非侵襲的出生前検査(NIPT)、dfDNAの認可を検討中の the National Screening Committeeに対して、英国産婦人科学会が、 この検査によりダウン症の人を生涯ケアするコストを削減できる効果を考え、 すべての妊婦に行うことを提唱し、物議をかもしている…

浅野一恵他「重症心身障害児施設入所者の家族に終末期医療に対するアンケート調査を施行して(原著論文)」

「重症心身障害児施設入所者の家族に終末期医療に対するアンケート調査を施行して(原著論文)」 浅野 一恵(小羊学園つばさ静岡), 山倉 慎二 日本重症心身障害学会誌 (1343-1439)38巻3号 Page455-461(2013.12) アブストラクトは 当施設に入所している重症心身…

【相模原障害者殺傷事件関連】『現代思想』10月号に寄稿しました:NHKハートネットTVのブログ取材を受けました

7月26日未明に起こった相模原障害者殺傷事件について、 以下の一つは書き、もう一つはしゃべりました。 ① 『現代思想』10月号 緊急特集=相模原障害者殺傷事件に 「事件が『ついに』起こる前に『すでに』起こっていたこと」という論考を 書きました。 9月26…

こばと学園のガラス

先々週、 愛知県心身障害者コロニー こばと学園(重症心身障害児者施設)にお邪魔して、 6月に引越しを終えられたばかりの、ぴかぴかの施設を見学させてもらいました。 いよいよ「いざ、見学へ」という時に、 麻生園長が「実は、見てほしいガラスがあるんだ…

ベルギーの子どもの安楽死、第1例は17歳

ベルギーは2014年に 追加条件を課して未成年にも安楽死を認める法改正を行いましたが、 ベルギー議会、子どもの安楽死認める(2014/2/14) 先々週、ターミナルな病気で耐え難い身体的な苦痛のある17歳(ほぼ18歳)が 安楽死を認められ、初めての未成年の安楽死…

「DNR(蘇生無用)&臓器提供」意思表示のタトゥーが米国で流行

Thaddeus Popeの「無益な治療」ブログが、 拾っているタトゥーの写真がすさまじい。 http://medicalfutility.blogspot.jp/2016/09/a-dnr-tattoo-is-not-polst.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+MedicalFutilityBlog+(Medical+…

たんじょうび

本日 月 日 をもって…… 還暦 ぐはは

2016年9月11日のメモ

2010年のサビュレスキュとウィルキンソンの論文以降、臓器提供安楽死を提唱する論文は例えば今年3月にもオランダの学者からも出てきていますが、Journal of Medical Ethicsにまたも。今度はWarwick 大学の生命倫理学者、 Zoe B. Fritz。ただし、論文中にどう…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 4

(前のエントリーから続きます) そうして、私にはずっと気がかりだった 安楽死や医師幇助自殺に対する著者のスタンスは 最終第8章「勇気」で明らかになる。 人の死をコントロールできると示唆する見方に対して私は懐疑的である。今までは本当に死をコントロ…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 3

(前のエントリーからの続きです) ウィスコンシン州のラ・クロッセ市は 事前指示書を書く人が増えて、終末期の医療費削減に成功した。 が、実際に重要なのは、形式としての事前指示書が書いてあることではなく、 同市の救急専門医、グレゴリー・トンプソン…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 2

(前のエントリーからの続きです) 著者が丁寧に取材し、描いている何人かの高齢患者と家族の物語の一つが 老いた老年科医フェリックス・シルバーストーンと妻のベラ。 心臓発作とヘルニアの手術、胆石の手術、関節炎、脊椎の圧迫骨折、難聴を経ても 臨床を…

アトゥール・ガワンデ『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 1

『死すべき定め - 死にゆく人に何ができるか』 アトゥール・ガワンデ 原井宏明訳 みすず書房 2016 Amazonの内容紹介は以下。 「豊かに死ぬ」ために必要なことを、私たちはこんなにも知らない 今日、医学は人類史上かつてないほど人の命を救えるようになった…

(重症児者の)母親は、自分のしたいことの大半をあきらめてきた……

直前エントリー 在宅重症心身障害児者の介護者に関するデータ整理について 某MLにお知らせしたところ、 呼吸器使用の子どもさんを在宅で介護しておられる、お母さん、Yさんから 以下のような、ご講和の一部をお知らせいただきました。 Yさんの承諾を得て、転…

在宅重症心身障害児者の介護者に関するデータ整理

訳あって個人的に必要となり、 兼ねて気になっていた在宅重症児者の介護者に関するデータを ざっと目についたものだけですが、取りまとめてみました。 ①『介護保険情報』2016年8月号の (株)日本在宅ケア教育研究所 代表取締役研究所所長 内田恵美子さんに…

CMJに「お医者さんたちの『まさか?』な死に方から『人を癒せる医療』に必要なものを考えてみる」を書きました

CMJこと「地域医療ジャーナル」の2016年9月号に 「お医者さんたちの『まさか?』な死に方から『人を癒せる医療』に必要なものを考えてみる」 という記事を書きました。 7月30日のメモで拾ったWPの記事、 ”The Sobering Thing Doctors do When They Die”から…

Lantosがトリソミー13/18の新生児の救命めぐり、「QOL概念はあまりに曖昧で主観的」

トリソミー13/18の新生児への「無益な治療」をめぐる議論については これまでもいろいろ拾ってきましたが、 トリソミー13の新生児に心臓手術を認めた倫理委の検討過程 1(2011/11/20) トリソミー13・18、医師が描くよりも子も親もハッピーで豊かな生活(2012/…

2016年8月25日のメモ

脳に超音波で刺激を与えたところ、25歳の昏睡状態の患者の意識が戻った、というカリフォルニア大の研究。 http://www.medicalnewstoday.com/articles/312515.php 裁判途上で診断が植物状態から最小意識状態に転じたハッサン・ラスーリ訴訟の最高裁判決は、オ…

ベルギーへの安楽死ツーリズム

「自殺ツーリズム」といえばスイスですが、 なんとベルギーへの「安楽死ツーリズム」もあるらしい。 主にフランスからのお客さんで、 いきなりスーツケースを転がしてベルギーの救急救命室にやってきて、 EUの医療カードで無料で受けられるはずだから安楽死…

コロラド州のTV局が、PASからMAIDへの言葉の置き換えを拒否

米コロラド州ではPAS合法化の是非をめぐって、 11月に住民投票が行われることが決まりましたが、 http://www.reuters.com/article/us-colorado-initiative-idUSKCN10R07R そのコロラド州で、 「医師幇助自殺(PAS)」という文言で「自殺」扱いするのをやめて…

WA州の「尊厳死法」 処方は2倍以上、死者は3倍以上、未使用の致死薬トラッキングなし

Richard Eganというブロガーによる、 これまでのWA州の「尊厳死法」の利用状況の分析を プロライフのニュースサイトが再掲しているのだけれど、 その中に、前のブログから私も指摘し続けていた 「未使用の致死薬のトラッキング」がされていないことへの疑問…

CA州のALS女性、お別れパーティを開いてから医師幇助自殺

41歳の画家でパフォーマンス・アーティストのBetsy Davis さんは、 2013年にALSと診断され、身動きも難しく、言葉も不明瞭になっていた。 6月に合法化された医師幇助自殺で死ぬことを決め、 7月23、24日の週末、友人たちを自宅に招待して2日間のパーティを開…